マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
塩崎厚生労働相が、検討会議の結果を踏まえて大学附属病院の病院長の選び方について発言しました。
医師や職員の意向投票で選ぶ方式は、その後しがらみのせいで医療安全の確保を優先しづらい状況が生まれるため、必ずしも適切な方法でないと指摘。検討会では、病院外の有識者を含む「選考会議」を作り、透明性を高くするのが望ましいという意見が出されています。
大学附属病院で医療安全上の問題によって患者が相次いで死亡したことを踏まえ、塩崎恭久厚生労働相は29日の閣議後の記者会見で、「医療安全管理で重要なのは、責任者である病院長の選定の方法だ」と指摘した。その上で、大学附属病院で意向投票(選挙)によって病院長を選ぶケースが少なくないことについて、「必ずしも適切な人が選ばれるやり方ではない」とし、相応しい方法ではないとの考えを示した。【松村秀士】
大学附属病院長の選考方法については、今年2月に設置された厚労省の有識者検討会で議論されている。同検討会は、大学附属病院で医療安全上の問題により死亡者が相次いだことを受けて設置された「タスクフォース」で、「ガバナンス改革に関しての検討の場を設け、速やかに結論を得る」としたことを踏まえ、立ち上げられた。
同検討会では、病院長を選考する場合、医師や職員らによる意向投票ではなく、外部の有識者を交えた「選考会議」を設置して透明性を高くするのが望ましいとの意見が出た。
29日の会見で塩崎厚労相は、意向投票について、「集票のためにしがらみがあり、就任後の医療安全確保を最優先にしづらい状況が生まれる」と指摘。その上で、意向投票で病院長を選ぶ方法について、「よくない」とした。また、大学附属病院のガバナンスに関しては、「医療安全確保を確固たるものにするために、改善することが不可欠」との考えも示した。
措置入院、退院後のフォローアップなど検討へ

塩崎厚労相はまた、神奈川県相模原市の障害者支援施設で入所者多数が殺傷された事件を受け、再発防止に向けた検討課題を提示。具体的には、▽施設における安全対策▽自傷他害の恐れがある場合に都道府県知事の決定で行われる措置入院の解除の判断▽措置入院していた人に対する退院後のフォローアップ体制―などを挙げた。
出典:医療介護CBニュース