マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
厚生労働省では「死亡診断書」を医師の直接立会いではなく、遠隔で交付できるシステムの構築に乗り出しました。テレビ電話などのICT(情報通信技術)を使用して死亡を確認したり、医師の判断に必要な所見を報告する看護師に専門の講義、実地研修などを求め、今年度内スタートに向けて体制を整備します。
厚生労働省は13日までに、テレビ電話などのICT(情報通信技術)を使って医師が患者の死亡を確認し、死亡診断書を交付するための手順などを示したガイドラインを作成し、公表した。医師が対面で死亡診断を行うまでに12時間以上かかるケースを想定。法医学の講義などを受け、死体検案・解剖にも立ち会った看護師が医師に報告するといった要件を挙げている。【新井哉】
医師が死亡診断書などを交付しないと、埋葬や火葬の許可が下りない。そのため、医師不足の地域などでは遺体を保存して医師の死後診察を待ったり、自宅での看取りをあきらめたりするケースが少なくないとみられる。こうした状況などを踏まえ、政府が昨年6月、患者が最期まで住み慣れた場所で過ごしやすくなるように、ルールの見直しを決めていた。
ガイドラインには、▽死亡診断を取り巻く課題▽ICTを利用した死亡診断を行う際の要件▽死亡診断の流れ-などを記載。医師が対象となる患者に対し、「生前に直接対面での診療」を行っていることや、死亡の原因となり得る疾患に罹患しているといった要件を示している。
医師の判断に必要な情報を伝える看護師についても、死因究明・死因統計制度などの法医学の講義に加え、実地研修で2体以上の死体検案・解剖に立ち会い、所見を遠隔の医師に報告できる「修練」を積むことを求めている。
厚労省は、看護師の研修機関や受講期間などを決めた上で、今年度内に死亡診断書を遠隔で交付できる体制を整備する方針だ。
出典:医療介護CBニュース