胎児奇形恐れの薬剤、安全管理手順見直しへ- 厚労省、入院患者への誤投与続出で|業界ニュース

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胎児奇形恐れの薬剤、安全管理手順見直しへ
- 厚労省、入院患者への誤投与続出で

マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
血液がんの一種、多発性骨髄腫などの治療薬「レブラミド」(一般名・レナリドミド)。免疫を活性化して腫瘍への攻撃を強めたり、骨髄細胞の増殖を抑制したりしますが、サリドマイドと同様に、催奇形性があります。
昨年だけで誤投与が4件あり健康被害が出たため、厚生労働省はレブラミドの安全管理基準を変更し注意事項を追加する案をまとめ、安全対策調査会で了承されました。
注意事項は、1.他の薬剤とは別に特別な薬剤として管理する。2.投与対象の患者についての本人確認を行う。3.患者がレブラミドを服用したかどうか確認するため、服薬後にPTPシートを回収する、などとなっています。

多発性骨髄腫などの治療薬で、サリドマイドと同じように催奇形性(胎児の奇形)の副作用を伴う可能性のあるレブラミド(一般名・レナリドミド)について、厚生労働省は、安全管理手順を見直す案をまとめた。入院中の患者への誤投与が相次ぎ、健康被害が出たことを受けた措置。看護師らが病棟で薬を配る際に本人確認を徹底することなどを求めている。【新井哉】

多発性骨髄腫は血液がんの一種で、骨髄腫細胞の増殖によって正常な血液細胞ができなくなる。貧血や腎機能の低下、腎不全、高カルシウム血症などの症状が出ることもある。レブラミドは、免疫を活性化して腫瘍への攻撃を強めたり、骨髄腫細胞の増殖を抑制したりする効果がある。

こうした効果がある一方、催奇形性の副作用の恐れがあるため、添付文書(使用上の注意)では、妊娠中や妊娠の可能性のある女性患者への投与は「禁忌(投与しないこと)」とされている。こうした状況を踏まえ、厚労省が主導して2010年にレブラミドの安全管理手順を策定。病院内の処方に限定することや、患者の薬が余った場合は薬剤師が回収し、医療廃棄物として処分することなどを求めている。

医師と薬剤師を主な対象として安全管理の徹底を促してきたが、看護師への注意喚起が不十分であったため、看護師が服用する患者の本人確認を十分行わずに別の患者にレブラミドを渡したり、服用量を間違えたりするケースが続出。昨年だけでも少なくとも4件の誤投与があった。

4件の誤投与のうち2件では、嘔吐や胃の違和感を訴える健康被害が報告されている。昨年12月に起きた誤投与のケースでは、看護師がレブラミドを投与する予定の患者と相部屋の60歳代の女性患者に服用させた。別の看護師が服薬チェックを行った際に誤投与が発覚。患者の胃を洗浄し、下剤も投与した。投与予定の患者と誤投与の患者は、いずれも入院したばかりで顔と名前が一致せず、薬剤の確認も怠っていたという。

誤投与の報告が相次いだことを受け、厚労省はレブラミドの安全管理手順を見直す必要があると判断。安全管理手順の入院患者の項目に、▽他の薬剤とは別に特別な薬剤として管理する▽投与対象の患者についての本人確認を行う▽患者がレブラミドを服用したかどうか確認するため、服薬後にPTPシートを回収する-といった注意事項を追加する案をまとめた。

24日に開かれた薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会の安全対策調査会で、この案を示し、了承された。今月中にも都道府県に対し、追加事項を盛り込んだ安全管理手順を医療機関に周知するよう通知を出す予定。

出典:医療介護CBニュース

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