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カルニチン欠乏症、補充療法のポイントは?- 小児科学会が診断・治療指針公開

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マイナビDOCTOR 編集部からのコメント

日本小児科学会は、カルニチン欠乏症の診断と補充療法についてウェブサイトで発表しました。 カルニチンは脂質をミトコンドリア内に運ぶもので、脂質はその後エネルギーに変換され体内で使われます。肉類などに含まれ、肝臓や腎臓で生成されています。欠乏症の理由は薬剤による副作用、一部のアレルゲン除去食品の利用や腎・肝不全などさまざま。体内の主なカルニチン貯蔵部位は筋肉で、小児は筋肉が少ないため発症しやすいとされています。
欠乏すると倦怠感や嘔吐、発達遅延、呼吸異常、けいれん、などの症状が出るため、経口や静脈注射による投与が求められています。

日本小児科学会は、カルニチン欠乏症の診断・治療指針をホームページで公開した。カルニチンは脂質のエネルギー代謝に関与する物質で、これが欠乏した場合、けいれんや意識障害、精神・運動発達の遅延などが起きる恐れがある。指針では、診断の流れに加え、カルニチンを補充する際に静注製剤から経口剤に切り替えるポイントも示している。【新井哉】

脂質を細胞のミトコンドリア内に運ぶ役割を担っているカルニチンは、肝臓や腎臓などで生成されるほか、肉類などの摂取で補給される。脂質はミトコンドリア内でエネルギーに変換されて体内で活用されるため、脂質の運搬にかかわるカルニチンを食事などで摂取することが不可欠だ。

指針は、同学会や日本小児科医会などの4団体で構成する日本小児連絡協議会の栄養委員会の委員が中心となって作成したもので、臨床症状や検査方法、カルニチンを補充する際に考慮すべき事項などを記載。カルニチン欠乏症が疑われる臨床症状として、▽けいれん▽意識障害▽重度の倦怠感▽脳症▽頻回嘔吐▽精神・運動発達の遅延▽呼吸異常―などを挙げている。

こうした症状や低ケトン性低血糖や高アンモニア血症、肝機能異常などが検査で分かった場合、カルニチンの血中濃度などを調べる検査を行うことを推奨。臨床症状や検査所見からカルニチン欠乏症、または欠乏症を発症する可能性が極めて高い状態と診断した場合は、カルニチンの製剤を投与する補充療法を勧めている。

投与量については「緊急性を有する場合は高用量、場合によっては静注製剤を投与する必要がある」と説明。病態が安定した段階で、低用量や経口剤に切り替えることを促している。

また、錠剤や内用液剤、静注製剤の選択方法も記載。乳幼児や服用が困難な高齢者は内用液剤、意識がなく経口投与ができない場合は静注製剤といったように年齢や病態に応じて最適な剤型を選択する必要があるとしている。

このほか、カルニチン欠乏症を発症する年齢層にも言及している。カルニチンの生合成量が少なく、貯蔵部位となっている筋肉の量が少ない小児で「発症しやすい」と説明。カルニチンを含まない経管栄養を行っている身体障害者や先天性代謝異常症の人も、生涯にわたって欠乏症を発症するリスクがあるとしている。

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出典:医療介護CBニュース

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