マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
東京都内の日比谷公園で「ソーシャル・ウォーキング」というプログラムの体験会が行われました。認知的、生理的アプローチを組み合わせたプログラムで、人と関わり会話しつつ、有酸素運動を行えるというものです。思考力や記憶力など、「流動性知能」の維持に効果が期待されています。
ユニ・チャームが考案し、東京都健康長寿医療センター研究所の藤原佳典部長・金憲経部長が認知症や介護予防の研究などを元に監修しました。
東京都健康長寿医療センター研究所の藤原佳典・社会参加と地域保健研究チーム研究部長らが監修した認知症予防プログラム「ソーシャル・ウォーキング」の体験会が東京都内などで行われた。有酸素運動の歩行と、人とのかかわりなどを盛り込んだプログラムで、藤原部長は「生活に欠かせない思考力や記憶力などの『流動性知能』は年齢とともに低下しがち。有酸素運動と社会参加は、それを鍛え、維持するのに有効」としている。【新井哉】
ソーシャル・ウォーキングは、「人と楽しくかかわる(認知的アプローチ)」と「しっかり歩行する(生理的アプローチ)」を組み合わせたプログラム。ユニ・チャームが考案し、同研究所の藤原部長と金憲経・自立促進と介護予防研究チーム研究部長が認知症や介護予防の研究などで得られた知見を基に監修した。
6日に東京都内で開かれた体験会では、藤原部長が約60人の参加者を前に、歩くことで脳に栄養と酸素が送られ、脳の神経のコンディションが良くなることや、有酸素運動で海馬の容量が拡大したといった研究や報告を分かりやすく説明。例えば、週に2回、ボランティア活動に参加する人の場合、その往復に歩くことで、「人とのかかわり」に加え「脳に効く歩行」ができるため「一石二鳥の認知症予防になる」とした。
また、プログラムの「応用編」として、ポールを使ったノルディックウォーキングを推奨。その効能と効果について、全日本ノルディック・ウォーク連盟の芝田竜文・関東ブロック長が、身体全体の約90%の筋肉を活動させる全身運動となるため、通常のウォーキングと比較した場合、運動効果を約20%アップさせることが可能と説明した。
参加者は、藤原部長らの説明を受けた後、日比谷公園(千代田区)で約1時間、ソーシャル・ウォーキングを体験。家族と一緒に参加した80歳代の女性は「景色や会話を楽しみながら歩けて良かった。自宅の周辺を歩く時、教えてもらったことを心掛けたい」と話していた。7日には大阪府内でも体験会が行われた。
出典:医療介護CBニュース