マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
国立がん研究センター(中釜斉理事長)の全国拠点病院421施設を対象とした診察情報の集計結果が発表されました。
2014年1年間の間にがんと診断された患者さんに関する調査です。
前立腺がん約3万2千件については早期発見が多く、全体の約5割超が軽症のステージ1でしたが、膵臓がん約1万4千件では診断された患者さんのうちステージ1は約1割しかなく、4割超が離れた臓器への転移をともない、手術は難しいとされるステージ4でした。
国立がん研究センター(国がん、中釜斉理事長)は26日、全国のがん診療連携拠点病院(拠点病院)の2014年の「院内がん登録」集計を公表した。この中で、膵臓がんと診断された患者の4割超が手術困難といわれるステージ4だった一方、前立腺がんの患者の5割超がステージ1だったことが分かった。【君塚靖】
今回の集計は、全国の拠点病院421施設が対象で、14年の1年間にがんと診断された患者の診療情報をまとめた。これまでの胃、大腸、乳房、肝臓、肺の主要5部位のがん種のほかに、初めて食道、子宮頸部、子宮内膜、膀胱、甲状腺、膵臓、前立腺の7部位を加えた12部位について集計した。
新たに集計した7部位については、登録精度を担保するため、国がんが認定する院内がん登録実務中級を持っている職員などを配置している323施設のみを対象とした。
膵臓がんで、治療前のステージ集計の対象となった1万4482症例のうち、ステージ4が43.4%で、ステージ1は11.3%だった。膵臓がんのステージ別の治療方法では、ステージ4は「薬物療法のみ」が51.2%だった一方、ステージ1は「手術のみ」が38.2%で最も多く、「手術もしくは内視鏡と薬物療法の併用」が34.9%でこれに次いだ。
一方、前立腺がんは、治療前のステージ集計の対象の3万1818症例のうち、ステージ1が51.4%で、ステージ4は14.1%だった。前立腺がんのステージ1の治療方法は、「手術のみ」が34.4%で最も多く、以下は「薬物療法のみ」の22.8%、「放射線治療のみ」の12.5%と続いている。
出典:医療介護CBニュース