マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
メタボ健診の別名で知られる40-74歳を対象とする特定健康診査。326万4499人を対象に調査したところ、肥満ではない人は206万699人(全体の63.1%)でした。
このうち、基準範囲内の人の割合は26.6%。特定保健指導の対象者は34.9%、医療機関での受診が必要な人は38.5%でした。肥満でないのに特定保健指導の対象となる人について、リスク項目の割合を見ると、最も高かったのが脂質の37.7%で、次いで血糖(11.9%)、血圧(8.8%)などです。
健保連の担当者は、「肥満ではない人に対しても脂質の値などに注目し、必要があれば保健指導や医療機関への受診を勧奨することが重要」とコメントしています。
40-74歳を対象とする特定健康診査(メタボ健診)を受診し、血圧や脂質などの4項目すべてで基準範囲内にある「正常なレベル」だった人は、全体の2割にも満たないとする調査結果を、健康保険組合連合会(健保連)が公表した。また、肥満に該当しない人でも、特定保健指導の対象者や医療機関での受診が必要な人は、7割以上いることも分かった。【松村秀士】
調査は、健保連の加入者のうち、2014年度に特定健診を受診した326万4499人を対象に実施した。
健保連では、厚生労働省の「標準的な健診・保健指導プログラム(改訂版)」に基づいて、血圧と脂質、血糖、肝機能の4項目の「基準範囲内」の検査値を定義した。具体的には、▽収縮期の血圧が130mmHg未満、拡張期では85mmHg未満▽LDLコレステロールが120mg/dL未満、HDLコレステロールが40mg/dL以上、中性脂肪は150 mg/dL未満▽空腹時の血糖が100mg/dL未満▽アミノ酸をつくり出す酵素のASTやALTが31U/L未満、肝臓に多く存在する酵素のγ-GTが51U/L未満―とし、健診データを基に健康状態を分析した。
その結果、基準範囲内の全てに該当する人は、全体の19.0%(61万9619人)にとどまった。一方、基準範囲内の検査値を超え、特定保健指導の対象となる人は32.7%(106万7327人)で、医療機関での受診が必要な人は48.3%(157万7553人)いた。
肥満ではない人は206万699人(全体の63.1%)で、このうち、基準範囲内の人の割合は26.6%、特定保健指導の対象者は34.9%、医療機関での受診が必要な人は38.5%だった。
肥満ではないのに、特定保健指導の対象となる人について、リスク項目の割合を見ると、最も高かったのが脂質の37.7%。以下は、血糖(11.9%)、血圧(8.8%)などだった。肥満でないのに、医療機関での受診が必要な人のリスク項目の割合も、脂質(54.4%)が最も高く、血圧(17.8%)、血圧・脂質(8.1%)などと続いた。
健保連の担当者は、「肥満ではない人に対しても脂質の値などに注目し、必要があれば保健指導や医療機関への受診を勧奨することが重要」としている。
出典:医療介護CBニュース