マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
10月13日、厚労省の「国民・患者に対するかかりつけ医機能をはじめとする医療情報の提供等に関する検討会」が開催。同検討会下にある2つの分科会で11月以降、医療機能情報提供制度の刷新やかかりつけ医機能報告の施行に向けた諸課題の検討を進める方針を確認しました。具体案のとりまとめは2024年夏頃になる見通しです。
厚生労働省の「国民・患者に対するかかりつけ医機能をはじめとする医療情報の提供等に関する検討会」が10月13日開かれ、同検討会の下に置く2つの分科会で11月以降、医療機能情報提供制度の刷新やかかりつけ医機能報告の施行に向けた諸課題の検討を進める方針を確認した。具体案のとりまとめは2024年夏頃になる見通し。
2つの分科会のうち、「かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分科会」は、①かかりつけ医機能報告における報告内容、報告対象医療機関の範囲、患者の求めに応じて行う説明の内容、②かかりつけ医機能報告を踏まえた地域の協議の場の進め方や地域でかかりつけ医機能を確保するための具体的方策、③研修や国による支援のあり方―などを検討する。
一方、「医療機能情報提供制度・医療広告等に関する分科会」は当面、24年4月に稼働予定の全国統一システムに関連した情報提供項目の表現の見直しや、対象者別の情報提供のあり方など課題を集中的に議論。システム稼働後は、かかりつけ医機能に関する分科会の検討状況を横睨みしながら、かかりつけ医機能に関する情報提供項目等の見直しの議論に入る。
13日の検討会では、かかりつけ医機能報告について、24時間対応や在宅医療を含む全てのかかりつけ医機能を医師が単独で担うのは実質的に困難であることから、複数の委員が医療機関の連携を前提にした制度設計が重要―との認識を示した。
香取照幸委員(未来研究所臥龍代表理事/兵庫県立大学大学院特任教授)は、「かかりつけ医機能は医療機関の連携ネットワークで実装するという視点を明確化するべき」と指摘。土居丈朗委員(慶應義塾大学経済学部教授)は、「複数の診療科の医師が連携してかかりつけ医機能を果たす。専門医であっても他の診療科の医師と一緒にかかりつけ医機能を担っていくという視点で議論を深めていく必要がある」と述べた。
■多くの医療機関が積極的に参画できる制度設計を―日医・城守常任理事
地域医療への影響を懸念する意見もあった。城守国斗委員(日本医師会常任理事)は、「現存する医療資源を最大限活かすことが重要であり、多くの医療機関が積極的に参画できる制度設計が望ましい」とし、厳格な縛りを設けて医療機関が手上げを控えるようなことになれば、地域の医療提供体制が崩壊しかねないとクギを刺した。
出典:Web医事新報
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