マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
厚労省が2回目となる電子処方箋推進協議会(4月28日)を開催しました。この中で同省は、電子処方箋普及の拠点として新たに6病院(気仙沼市立本吉病院、公立松任石川中央病院、静岡市立静岡病院、公立西知多総合病院、長崎みなとメディカルセンター、徳島市民病院)を選定。これら施設の周辺地域へと波及させていくことで面的拡大を図る方針を説明しています。
厚生労働省は4月28日に2回目の電子処方箋推進協議会を開いた。この中で同省は、電子処方箋普及の拠点として新たに6病院を選定し、これら施設の周辺地域へと波及させていくことで面的拡大を図る方針を説明した。公的病院への導入も促す。
全国の電子処方箋運用開始施設は4月23日時点で全国3352施設。このうち最も多いのは薬局の3082施設で、医科は病院9施設、診療所250施設にとどまる。一方で、同一市区町村内に少なくとも1カ所以上、医療機関と薬局の電子処方箋対応施設が立地している都道府県は44となり、本格運用開始当初の13に比べると大幅に増えた。事前の利用申請を済ませた施設数は5万412施設で、医科の内訳は病院1194施設、診療所1万9216施設となっている。
厚労省は今後、公的病院への導入促進と、導入意欲の高い病院を中心とした面的拡大の2本立てで普及を加速していく考え。公的病院に関しては同省の調査に回答した714施設中、214施設が2023年度中の導入を計画している。ただ、回答で最も多かったのは「導入未定」(414施設)で、その理由として「周辺薬局の対応がまだできていない」、「システムベンダの対応が間に合っていない」、「費用負担が大きく予算確保が出来ていない」といった声が挙がっている。
面的拡大の拠点施設には、▶気仙沼市立本吉病院、▶公立松任石川中央病院、▶静岡市立静岡病院、▶公立西知多総合病院、▶長崎みなとメディカルセンター、▶徳島市民病院―の6病院を選定。5〜6月にかけて電子処方箋の運用を開始し、電子処方箋の機能拡充(リフィル処方箋や院内処方など)に関する先行検証を行うほか、「電子カルテ情報交換サービス(仮称)」などの先行導入も検討する。
■電子署名に必要なHPKIカードの早期発行申請は178件
現在、医療機関では4月に原則義務化されたオンライン資格確認システムへの対応が急がれており、そのためにシステムベンダの業務が逼迫していることが電子処方箋の普及が進まない一因となっている。この点について厚労省は、一部ベンダではオン資導入対応が概ね完了し、電子処方箋に注力できる環境が整いつつあると説明。また、電子署名に必要なHPKIカードを申請してもなかなか届かないという問題については、3月に早期発行に対応する窓口を社会保険診療報酬支払基金に開設し、4月25日時点で178件の発行申請があったことを報告した。
出典:Web医事新報
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