マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
米ファイザー社と独ビオンテック社が共同開発し緊急使用許可を申請した「BNT162b2」につづき、米モデルナ社も新型コロナ向けワクチン「mRNA-1273」の緊急使用許可を申請いたしました。「mRNA-1273」の第3相試験には約3万人が参加し、COVID-19感染が確認された196例に基づく分析で「94.1%」という高い有効性が示され、重大な安全性上の懸念も報告されていないことからモデルナは申請に踏み切りました。これにより米国では2つの新型コロナワクチンが年内に実用化される可能性が強まっており、その動向が注目されます。
米モデルナ社は11月30日、開発中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)向けmRNAワクチンについて、米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請した。米ファイザー社も11月20日、独ビオンテック社と共同開発中のmRNAワクチンについてFDAに緊急使用許可を申請しており、2つのCOVID-19ワクチンが米国で年内に実用化される可能性が強まっている。
モデルナのワクチン「mRNA-1273」の第3相試験(COVE試験)には約3万人が参加。COVID-19感染が確認された95例に基づく中間解析では「94.5%」の有効性が示されていたが、今回発表された196例に基づく解析でも「94.1%」(重症のCOVID-19に対する有効性は100%)という高い有効性が示され、重大な安全上の懸念も報告されていないことから、モデルナは申請に踏み切った。
同社のステファン・バンセルCEOは「私たちのワクチンは、パンデミックの流れを変え、重篤な疾患、入院、死亡を防ぐのに役立つ新しい強力なツールを提供すると信じる」とコメントしている。
日本の厚生労働省は、モデルナが「mRNA-1273」の開発に成功した場合、武田薬品工業による国内での流通の下、2021年前半より5000万回接種分(2500万人分)の供給を受けることについて、両社と契約を締結している。田村憲久厚労相は12月1日の閣議後会見で、モデルナのワクチンについて「我が国に申請が来ればしっかりと安全性・有効性を審査し、最終的に認められれば当然承認(する)」と述べた。
出典:Web医事新報