マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
ボストン・サイエンティフィックジャパンの植込型心臓ペースメーカーを使用している医療機関は注意が必要です。分時換気量(MV)センサー起動時の信号と自己脈の誤認により、失神等の重篤な健康被害が発生する可能性が判明しました。同社は医療機関に対し、センサーの設定確認・定期的なフォローアップなどの継続的な実施を求めています。
医療機器メーカーのボストン・サイエンティフィック ジャパンは28日、同社が販売した植込型心臓ペースメーカーを使用している患者のモニタリング(経過観察)に着手すると発表した。分時換気量(MV)センサー起動時の信号を自己脈と誤認することでオーバーセンシングが発生し、ペーシングが抑制されて失神等の重篤な健康被害を引き起こす可能性が判明したという。同社は医療機関に対し、速やかな経過観察の実施を依頼している。
対象製品は、植込型心臓ペースメーカー「アコレード」「アコレードMRI」と除細動機能なし植込型両心室ペーシングパルスジェネレーター「ヴァリチュード」の3機種、計2万4950台。ボストン社が米国のガイダント・コーポレーションから輸入し、全国の医療機関1254施設に納入された。出荷時期は、アコレードが2016年6月29日~18年11月22日、同MRIが15年11月25日~18年11月27日、ヴァリチュードが16年6月17日~18年11月27日。
ボストン社は、MVセンサー信号のオーバーセンシングを自動的に検知・解消するソフトウェアのアップデートの開発と導入準備を進めている。医療機関に対しては、アップデートが行われるまでの間、MVセンサーの設定状態の確認と定期的なフォローアップなどの経過観察を継続して実施するよう求めている。 なお、同社は医薬品医療機器法に基づき、27日に東京都へ報告。東京都と厚生労働省も情報提供を行っている。
出典:Web医事新報