漢方専門医とは?仕事内容と漢方専門医になる方法を解説|医師の現場と働き方

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漢方専門医とは?仕事内容と漢方専門医になる方法を解説

漢方薬は保険適応となるものも多く、小児から成人まで幅広く処方可能です。現在では、漢方を用いた治療を専門に行う医院なども多く見られるため、漢方専門医を目指したい医師もいることでしょう。今回は、漢方薬を用いた治療の専門家である漢方専門医について、その役割や仕事内容、専門医資格の取得条件などを詳しく解説します。

<この記事のまとめ>
・漢方専門医は、臨床医として勤務しながら漢方薬の処方を専門的な知識に基づき行う医師です。診察や漢方薬の処方、必要に応じた検査の指示などが主な仕事内容です。
・漢方専門医になるには、まず西洋医学的な専門医資格を取得したうえで、研修・臨床報告・認定試験を経て合格する必要がある。
・漢方専門医の取得によって、幅広い知識・スキルをもとに患者さんの診察ができるほか、病院・クリニックの集客力強化につなげることが期待できる。

1.漢方専門医とは

漢方薬を処方するには、西洋医学とは異なったアプローチ方法の専門的な知識や技術が必要です。

一般社団法人日本東洋医学会では、漢方専門医を「西洋医学を十分に習得し、内科、外科をはじめ小児科、産婦人科、整形外科、皮膚科、眼科、耳鼻科、精神科など西洋医学の専門分野を持った上で、漢方医学についても修得した医師」と定義しています。

漢方専門医は、東洋医学の知識や技術を活かした漢方医学の専門家といえます。

2.漢方専門医の仕事内容

漢方専門医は一般的な臨床医として勤務し、なかでも漢方薬の処方を専門的な知識に基づいて行えるというのが大きな特徴です。一般的内科的診察も用いつつ、専門的な診療を行います。続けて具体的な仕事内容を見てみましょう。

2-1.診察

漢方専門医は、一般的内科的診察に加え、漢方医学的な診療技術である「望診(ぼうしん)」「問診」「聞診(ぶんしん)」「舌診」「脈察」「腹診」を用いて、患者さんの診察を行います。必要と判断した場合には、血液検査や尿検査をはじめCT検査などを指示することもあります。

2-2.漢方薬の処方

診察後の所見に基づいて、患者さんが抱える症状の改善や治癒を目指し、必要な漢方薬の処方を行います。ただし、漢方薬のみではなく、一般の処方薬と組み合わせるなど状況によって柔軟に対応します。

西洋医学では疾患に合わせて処方される薬の種類はある程度決まっていますが、漢方医学では、自然治癒力を高める処方として、患者さん個々に合わせた処方を行うのが特徴です。また、西洋医学で明確な治療方法がないケースで、漢方薬を活用して症状を緩和させるといった処方も行われます。

多くの場合、保険適用となりますが、生薬の種類によっては保険が適用されない場合もあります。その場合は、その旨を患者さんに説明し、自費診療を促したり、他の生薬で代用したりするなどして対応します。

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2-3.養生法の指導

漢方専門医は、診察や漢方の処方だけでなく、患者さんの体調を整えるために必要な養生法についての指導も行います。漢方的体質である「証」を考慮しながら、食養生などのアドバイスを行うこともあります。

3.漢方専門医になるには

漢方専門医の認定制度は、1989年(平成元年)から開始され、学会認定医制協議会加盟の制度として運用がスタートしました。漢方専門医は「日本専門医制評価・認定機構が定めた基本領域に属する学会の専門医または認定医に認定された後、本学会指定研修施設で3年以上の漢方医学の臨床研修を行った者」しかなることができません。

また、「基本領域の研修期間含め通算6年以上の研修期間」を経る必要があります。つまり、漢方専門医は西洋医学的な専門医資格を取得した後に、さらに漢方医学を充分に修得していることを示す資格です。

ここでは一般社団法人日本東洋医学会が公表している条件をもとにまとめた条件を紹介します。なお、取得後は、5年ごとの更新が必要です。

<受験資格>
医師免許証があり、日本専門医認定機構の定める基本領域に属する学会の認定医あるいは専門医として、3年以上継続して本会会員で所定の単位数(7単位)を取得し、本学会が定める研修施設で3年以上東洋医学の臨床研修に修練を積んだもの

<漢方専門医の認定要件>
50症例の一覧及び、そのうち10症例の臨床報告を提出し、毎年1回の認定試験(筆記試験、口頭試問)に合格すること。

<更新要件>
更新には、学術総会出席等において与えられる更新点数や単位に基づき、100点、7単位が必要。日本東洋医学会が主催する事業 70 点以上かつ学術総会出席及び医療倫理・医療安全講習会受講が必須。また、単位数は受験する年度の前5年度以内のものである必要がある。

参考:日本東洋医学会「専門医制度基本規定」、日本東洋医学会「専門医・認定医共通 更新及び受験申請の為の配点表

なお、漢方専門医のほかに、漢方認定医もあります。こちらは新専門医制度において基礎領域での専門医資格を持たない人が学会の認定を受けて取得するものです。重複して取得することはできず、漢方専門医は、厚生労働省から「日本東洋医学会認定 漢方専門医」としての広告が認められていますが、漢方認定医は広告の表記は許可されていません。

漢方認定医は、以下の条件で認定されます。

1.日本の医師免許を有し、受験申請時において医籍登録後3年以上経過した者(歯科医師は除く)。
2.会費を完納している正会員であること。
3.受験申請時において3年以上継続して本学会正会員である者(申請締切日を基準に満3年以上必要とする)。
4.受験申請書類提出までに取得した単位が受験申請時の前5年度または正会員入会年度のいずれか遅い年度の始めから起算して通算7単位以上(学術総会及び医療倫理・医療安全講習会出席は必須)であること。

(日本東洋医学会「専門医になるには」より)

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4.漢方専門医を取得するメリット

続けて、漢方専門医を取得するメリットを見てみましょう。

4-1.それぞれの専門領域で漢方専門医の知識と技術を活用できる

漢方専門医は、専門領域に関わらず、漢方医薬の専門家として、幅広く活躍できます。漢方薬の処方は、漢方専門医でなくとも可能ですが、専門医としての技術や知識があれば、より高度な治療が可能でしょう。また、漢方専門医は広告が可能であり、集客においても大きな強みとなります。

4-2.西洋医学+漢方による専門的な治療が可能

漢方専門医は「西洋医学を学んだ医師が漢方をつかう」のが大きな特徴です。そもそも漢方医学は中医学をもとに日本で発展したものであり、独自の知識や技術があります。西洋医学の診察、診断、処方、手技に加えて漢方を活用することで、幅広い症状に対応できるのが大きな利点です。漢方薬の処方の有無に関わらず、漢方の知識や技術を用いた診療は、西洋医学とは異なる視点で患者さんの病態を把握できるのもメリットといえるでしょう。

5.漢方専門医は新たな学びを得たい人におすすめ

漢方専門医は、基礎となる専門領域の種類に関わらず、取得が可能なため、新たな学びを得たい人におすすめです。漢方専門医を目指し、症例数の多い研修先を探している方や、漢方専門医の資格を活かして自分に合った働き方を探したい方は、医師専門のエージェントに相談してみてはいかがでしょうか。

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PROFILE

監修/小池 雅美(こいけ・まさみ)

医師。こいけ診療所院長。1994年、東海大学医学部卒業。日本医学放射線学会・放射線診断専門医・検診マンモグラフィ読影認定医・漢方専門医。放射線の読影を元にした望診術および漢方を中心に、栄養、食事の指導を重視した診療を行っている。女性特有の疾患や小児・児童に対する具体的な実践方法をアドバイスし、多くの医療関係者や患者さんから人気を集めている。

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