医者になるためにかかる費用は?医師になるまでの道のり、費用を抑えるポイントを解説|医師の現場と働き方

医者になるためにかかる費用は? 医師になるまでの道のり、費用を抑えるポイントを解説

これから医者を目指す方の中には「医者になるにはどれくらいお金が必要なんだろう」と不安に思っている方もいるかもしれません。実際のところ、医者になるまでにはトータルでどのくらいの費用がかかってくるのでしょうか。本記事ではこれから医者を目指す方のために、医者になるためにかかる費用や医学部合格から医者になるまでの道のりなどを解説します。

医学部は学費が高いというイメージを持っている方は多いかもしれませんが、医者になるには医学部の学費だけでなく、その他にもさまざまな費用がかかります。費用を抑えて医者になるための方法もご紹介するので、費用に頭を悩ませている方もぜひ参考にしてみてください。

こんな方におすすめの記事です!
  • 将来医者になりたい方
  • 医者を目指す上で費用に不安を抱えている方
  • 費用を抑えて医者になる方法を知りたい方

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目次

  1. 医者になるための費用はどのくらい?
  2. 医学部合格から医師になるまでの道のり
  3. 医者になるための費用を抑えるためには?
  4. 医者になるまで費用を理解して一人前の医者を目指そう

医者になるための費用はどのくらい?

医者になるためにかかる費用と聞いて、まず思い付くのは医学部の学費ではないでしょうか。しかし、実際は医学部の学費に加えて、さまざまな費用がかかってきます。

医者になるために何にどのくらいの費用がかかるのか、内訳を見ていきましょう。

医学部の学費

医者になるには医学部を卒業する必要があるため、医学部の学費が必ずかかってきます。

医学部で学ぶためにかかる学費は、国公立か私立かによって差が大きいです。医学部を6年で卒業する場合、国公立の学費の平均は入学金を含めて約350万円ですが、私立の学費は約3300万円かかるとされています。同じ医学部でも、国公立か私立かで2,000万円程度の差が生じます。

ただし優秀な学生に対しては、学費を一部または全額免除する制度や無利息の奨学金制度を設けている大学も少なくありません。例えば、国際医療福祉大学では「医学部特待奨学生S」に選ばれると、入学金を含めた学費が全額免除されます。

なお、学費免除や奨学金制度の中には、卒業後に特定の地域や病院で働くなどの条件が付くケースもあります。学費免除や奨学金を希望する場合は、どのような制度があるか調べてみると良いでしょう。

※参考:国際医療福祉大学「学生納付金」

医学部の受験にかかる費用

医学部を受験する際にも受験料をはじめとした費用がかかります。受験料を含め、どのような費用が発生するかを見ていきましょう。

●受験料(国公立・私立)

国公立の医学部を目指す場合、大学入試共通テストを受けた後、大学別の二次試験を受験することになります。

医学部の場合、大学入試共通テストは5教科7科目の受験が必要になることが一般的です。大学入試共通テストの3教科以上受験する場合の受験料は1万8,000円、二次試験は1万7,000円なので、合計で3万5,000円かかります。二次試験の日程は前期・後期がありますが、一般的に医学部は前期で受験します。後期も受験する場合は、さらに1万7,000円かかるため、トータルの受験料は5万2,000円です。

私立の医学部を目指す場合、受験料は大学によって異なります。平均で6万円程度とされており、国公立に比べると高額です。直前で慌てないように、志望校の受験料がいくらなのか、事前に調べておきましょう。私立の場合、併願する方も多いですが、受験する大学が多ければ多いほど当然受験料の総額が高くなります。

※参考:独立行政法人 大学入試センター「法令の規定により使用料、手数料その他の料金を徴収している場合におけるその額の算出方法」
※参考:公益財団法人 生命保険文化センター「大学受験から入学までにかかる費用はどれくらい?」
※参考:朝日新聞 Thinkキャンパス「私大医学部の学費は平均約3200万円 費用を抑える手はある…?」

●交通費・宿泊費

受験の際には交通費や宿泊費も発生します。

志望校が自宅から近い場合は、交通費だけで済み、それほど金額もかかりませんが、遠方の場合はまとまった費用がかかることを理解しておきましょう。一部の私立大学は、主要都市に地方試験会場を設けていることもあります。志望校が自宅から遠い場合は、地方試験会場の有無も確認しましょう。

併願した場合は、交通費や宿泊費もそれだけ多くかかります。

●納付金

納付金とは、入学金・授業料・施設設備費・実験実習費などの総称で、入学時に支払う納付金は、初年度納付金(納入金)と呼ばれます。

併願受験している場合、第一志望やより志望度の高い大学の合格発表よりも、併願で合格した他の大学の入学手続きの締め切り日が早いことがあります。そのため、万が一のことを考えて納付金を納め、併願した大学に入学する権利を確保するケースも少なくありません。

第一志望やより志望度の高い大学に合格した場合、3月末日までに返還請求をすれば、併願した大学にすでに支払った納付金のうち、入学金以外は返還されます。ただし、私立の医学部の入学金は平均130万円程度なので、入学しない場合は高額なお金が無駄になってしまいます。

無駄な支払いを避けるためには、併願する大学の合格発表日や入学手続き締め切りなどを確認し、第一志望やより志望度の高い大学のスケジュールを踏まえて、併願先を決めるようにしましょう。

※参考:旺文社情報教育センター「大学に、「授業料」返還義務!」
※参考:文部科学省「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等
平均額(定員1人当たり)の調査結果について」

医学部の予備校に通う費用

現役で医学部への合格がかなわなかった場合、医学部の予備校に通うことを検討する方も多いです。

浪人生の場合、医学部専門の予備校の学費は平均で年間100〜800万円程度です。予備校によって学費が変わるのはもちろん、志望校や受講形態によっても予備校の学費は変動します。例えば、国公立志望者向けの集団授業の場合は年間100〜400万円程度ですが、私立志望者向けの個別授業の場合は年間300〜800万円程度かかるとされています。

※参考:医学部予備校ガイド「医学部専門予備校の学費事情」

高校までの教育費

医者になるために医学部を受験するまでには、当然高校までの教育費もかかってきます。

高校までの教育費は、公立か私立かで差が大きいです。小学校から高校まで全て公立だった場合の教育費は平均で251万円程度ですが、全て私立だった場合は平均が1,218万円程度で、1,000万円程度の差が出てきます。

また医学部合格を目指している場合、早い段階から学習塾などに通うケースも多いです。その場合、小学校・中学校・高校でかかる教育費と別に、塾の費用も発生します。

※参考:住友生命「教育費の平均は?幼稚園~大学の教育費を解説!【4パターン】」

医学部合格から医師になるまでの道のり

医学部合格から医師になるまでには、どのような道をたどっていくことになるのでしょうか。順を追って説明します。

医学部に入学する

医学部への入学は、医師になるためのファーストステップです。医学部は偏差値が高く、合格までのハードルが高いですが、入学後も継続してしっかりと勉強する必要があります。

CBT/OSCEを受ける

医学部在学中は「CBT(Computer-Based Testing)」と「OSCE(Objective Structured Clinical Examination)」を受けて、合格する必要があります。

CBTは、パソコンを使って行われる、臨床実習に必要な知識・問題解決力に関する評価試験です。一方、OSCEは「客観的臨床能力試験」と呼ばれ、態度や診察技能に関する評価試験となっています。

CBTとOSCEを受験する一般的なタイミングは、4年生の8〜3月です。ただし一部の大学では、3年生の冬に実施されます。

この試験に合格しなければ、臨床実習に進むことができません。なお、CBTの得点は卒業後の実習先の選択に影響を与えます。

医学部卒業試験を受ける

医学部を卒業するためには、6年生で医学部卒業試験に合格する必要があります。医学部卒業試験に合格することで、医師国家試験の受験資格が得られる仕組みです。

医学部卒業試験のタイミングは大学によって異なりますが、一般的には9月〜12月頃に行われます。

この試験で不合格になると留年となり、翌年度に再度受験する必要があります。

医師国家試験に合格する

医学部卒業試験に合格したら、次に医師国家試験に合格する必要があります。この試験に合格すれば、医師免許の取得が可能です。

医師国家試験は、筆記と口頭の2つの試験方式で構成されています。試験が実施されるのは、例年2月上旬から中旬頃で、合格発表は3月中旬頃です。

2024年に行われた医師国家試験は合格率が92.4%で、特に現役は95.4%とかなり高い合格率になっています。ただし、医師として欠かせない倫理観や人権などに関する問題で一定数以上を間違えると、他の問題で点数を取れていても不合格になるので注意が必要です。

※参考:旺文社教育情報センター「2024年 医師国家試験の合格率は92.4%!」

臨床研修(初期研修・後期研修)を受ける

医師免許を取得したら、研修医として臨床研修を受けることになります。

「初期研修」は、研修医として2年間の実務経験を積み、医師としての基本を身に付けるための研修です。その後、専門医として特定の診療科のスペシャリストを目指す場合は、3〜6年程度の「後期研修」を受けることになります。後期研修に参加している医師は、専攻医と呼ばれます。

医者になるための費用を抑えるためには?

医者になるためには、学費だけでもかなりの費用がかかる上、その他にもさまざまな費用が発生します。できるだけ費用を抑えて医者になるには、どうすれば良いのでしょうか。

医者になるための費用を抑える5つの方法をご紹介します。

高校までは公立を選ぶ

費用を抑えて医者になるためには、高校までは公立を選ぶようにしましょう。

前述した通り、小学校から高校までにかかる教育費は、全て公立だった場合で平均251万円程度、全て私立だった場合で平均が1,218万円程度です。全て公立に通えば、1,000万円程度の費用を抑えられることになります。

「医学部合格は私立高校の方が有利」といわれることもあります。しかし、医学部の合格率だけで見れば、公立でも私立でもほとんど同じです。旧帝大などの難関大学とされる医学部は、私立高校出身者が多い傾向にありますが、地方拠点大学の医学部の合格者は、公立出身者も多い傾向にあります。

※参考:住友生命「教育費の平均は?幼稚園~大学の教育費を解説!【4パターン】」
※参考:産経新聞「合格率は同じでも私立高と公立高で違う出願先」

医学部は国公立を選ぶ

医者になるまでの費用を抑えるためには、国公立の医学部を選びましょう。

国公立と私立の医学部では、学費が3,000万円近く変わってきます。私立の医学部の学費は学校によっても差がありますが、学費が低く設定されている私立の医学部でも、国公立の医学部に比べればはるかに高いです。

医学部の学費は、医者になるためにかかる費用の多くを占めるので、費用を抑えたいなら国公立の医学部合格を目指しましょう。

国公立を第一志望とし、併願で私立を受験する場合は、学費免除や奨学金などの制度が充実している私立大学の受験を検討してみると良いかもしれません。

現役合格を目指す

現役合格を目指すことも、医者になるまでの費用を抑える方法の一つです。

現役合格がかなわなければ、多くの方は予備校に通いながら、医学部合格を目指すことになります。前述した通り、志望校や受講形式にもよりますが、医学部専門の予備校の学費は、平均で年間100〜800万円程度かかります。現役合格すれば、この費用は必要ありません。

現役での医学部合格率は大学によって大きく差がありますが、どの大学を目指す場合でも、それ相応の努力が必要です。そもそも医学部は難易度が高い学部なので、しっかりと受験勉強に取り組みましょう。

※参考:医学部予備校ガイド「医学部専門予備校の学費事情」

留年を避ける

費用を抑えて医者になるには、留年を避けられるよう努力することも大切です。

前述した医学部の学費の平均は、ストレートで医学部を卒業した場合の費用です。国公立でも私立でも、留年すれば学費がさらにかさんでしまいます。

ほとんどの場合、進級試験で一科目でも合格点を満たさないと、留年になります。落とした科目だけでなく、通常の前期・後期分の学費が必要になるので、経済的な負担が大きくなってしまうでしょう。

日頃からしっかり勉強して進級試験に合格するのはもちろん、毎回きちんと授業に出席して、留年してしまう不安要素を抱え込まないようにすることが大切です。

医師国家試験に一発合格する

医師国家資格に一発合格することも、医者になるまでの費用を抑える方法の一つです。

医師国家試験は年に一度しかありません。落ちてしまった場合、自宅で浪人するか、予備校に通うことになります。予備校に通う場合、高額な費用がかかります。費用を抑えるなら自宅浪人がおすすめですが、参考書や問題集、オンライン授業などにそれなりの費用がかかる上、学習のモチベーションを維持するのも大変です。

例年、現役の医師国家資格の合格率は90%を超えており、しっかりと対策しておけば、一発合格は医学部入学試験や医学部卒業試験ほど難易度が高いものではありません。試験対策を徹底し、一発合格を目指しましょう。なお、2024年度の既卒の場合の医師国家試験の合格率は58.9%で、例年現役の合格率を大きく下回っています。

※参考:厚生労働省「医師国家試験の施行について」
※参考:旺文社教育情報センター「2024年 医師国家試験の合格率は92.4%!」

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