マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
日本医療機能評価機構が公表(5月15日)した「医療安全情報No.234」において、ペン型インスリン注入器の複数患者への使用が禁忌であることを知らずに、針を替えては他の患者に使用した事例が取り上げられ、注意を促しています。同機構には同様の事例が2017年1月〜26年3月までの間に6件報告されているといいます。
日本医療機能評価機構は5月15日に公表した「医療安全情報No.234」で、ペン型インスリン注入器の複数患者への使用が禁忌であることを知らずに、針を替えて他の患者に使用した事例を取り上げ、注意を促した。機構にはこうした事例が2017年1月〜26年3月までの間に6件報告されているという。
ペン型インスリン注入器は本来、個人専用で使用する製品。使用時に血液がカートリッジ内に逆流することがあるため、仮に針を替えたとしても患者間で共有すれば感染を引き起こす可能性がある。
今回の医療安全情報では代表的な2事例の発生経緯を掲載した。それによると事例1では医師が患者Xのインスリンを昼の投与分からノボラピッド注フレックスタッチに変更し、処方した。昼食前に看護師が当該インスリンを準備しようとしたが、その時点では病棟に届いていなかった。患者Yが同じインスリンを使用していたことから、看護師はペン型インスリン注入器の針を替えれば患者Xにも使用できると考え、患者Yの注入器で患者Xに投与した。
事例2では、朝食前、患者XにインスリングラルギンBS注を12単位投与するところ8単位しかなく、新しいインスリンの処方もなかった。このため看護師は同じインスリンを使用している患者Yのペン型インスリン注入器を借りることにし、患者Xに8単位を投与した後、患者Yの注入器で4単位を投与した。
事例が発生した医療機関では再発防止策として、使用中のペン型インスリン注入器は血液がカートリッジ内に逆流している可能性があるため、他の患者に使用してはいけないことを周知する取り組みが行われている。
出典:Web医事新報