マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
2026年度次期診療報酬改定の告示を踏まえて、日慢協(日本慢性期医療協会)の橋本会長が協会としての取り組みと課題について説明。「プラス改定を医療の質に変えていくことが大事」と強調した同会長は、施設基準を引き上げて加算を確実に算定することで医療の質を高め、「寝たきりゼロ」を推進していく方針を示しています。
日本慢性期医療協会の橋本康子会長は3月12日、定例記者会見に臨み、2026年度次期診療報酬改定の告示を踏まえた協会としての取り組みと課題について説明した。橋本会長は「プラス改定を医療の質に変えていくことが大事」と強調し、施設基準を引き上げて加算を確実に算定することで医療の質を高め、「寝たきりゼロ」を推進していく方針を示した。
橋本会長は次期改定のポイントとして、①入院時食事療養費の3年連続引上げ、②院外リハビリテーションの算定上限の緩和・退院前訪問指導料の評価強化、③認知症ケア加算─を挙げた。認知症ケア加算の見直しでは、認知症患者に対するアセスメントやケアの充実に加え、身体拘束の最小化に向けた組織的な取り組みの推進が求められている。身体拘束を巡っては、身体拘束を行わない体制を評価する身体拘束最小化推進体制加算が新設、最大で1日40点の算定が可能となった。身体拘束の実施状況に応じて、加算・減算を段階的に設定する仕組みも導入される。
一方、回復期リハビリテーション病棟の重症患者基準の見直しについては懸念を示した。入院時に機能的自立度(FIM)の低い患者が基準から除外されることで、患者の受け入れ回避や十分なリハビリテーションが提供されないケースが発生する恐れがあり、寝たきりの増加につながる可能性があると問題視。寝たきりでも認知症がない患者では、リハビリによって約半数が自宅生活可能なレベルまで改善する可能性があるとして、患者の状態を見極めた適切なリハビリ提供と制度の正しい運用の重要性を強調した。
その上で橋本会長は「診療報酬は国民の税や社会保険料を財源としている」と述べ、病院の収益改善だけでなく、プラス改定を医療の質向上や寝たきりゼロの実現につなげ、その成果を国民に還元していくことが必要との考えを示した。
出典:Web医事新報