医師の現場と働き方「女性医師」編|マイナビ【DOCTOR】

医師の現場と働き方

03「女性医師」編

女性が働き、キャリアを重ねるうえで、出産や育児というライフイベントをどう乗り越えるかがポイントとなることは多いもの。それは医師の世界であっても同じです。女性医師が自らの「ワーク」と「ライフ」を輝かせるための生き方、働き方のヒントを探ります。

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働き方・転職動向

ワークライフバランスの確保から「より輝く生き方」へ

厚生労働省の調査(平成26年 医師・歯科医師・薬剤師調査の概況)によると、医師総数に占める女性医師の割合は年を追うごとに上昇しており、直近の結果では63,504人(20.4%)となっています(図1)。医師国家試験合格者の男女比を見ると、2015年度(平成26年度)には女性が31.8%を占めているため、今後も女性医師の数・割合は継続的に上昇していくものと考えられます。

高度専門職である女性医師は比較的待遇に恵まれ、一般的な職業の女性に比べれば自由にキャリアを描きやすいでしょうが、「より輝く生き方」という観点からあるべき働き方を考えた場合、それが十分に満足されるような社会環境は、まだまだ整っていないといえそうです。

日本社会における女性の就業率を年齢階級別のグラフにすると、20歳代と40歳代をピークとするM字型を描くことがよく知られています。これは、結婚・出産期に当たる年代にいったん就業率が低下し(図2)、育児から手の離れる頃になって上昇に転じるためです。日本の就業環境が、出産・育児を経験する女性にとっていかに不利であるかを如実に示すものだといえるでしょう。なお、欧米社会では、同様のグラフは一般的に「逆U字型」になるといわれています。出産・育児によりキャリアを妨げられることなく、働き盛りに働いて徐々にリタイアしていくという「素直な」カーブになっているのです。

日本においても、特に肩肘を張らずとも自然なかたちで女性が能力を発揮できる就業環境の実現が望まれています。

図1 女性医師の推移
参照:
厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」
図2 女性医師(勤務医)が休職・離職した理由と期間
仕事を中断(休職)、離職した「理由」
仕事を中断(休職)、離職した「期間」
参照:
日本医師会「女性医師の勤務環境の現況に関する調査報告書」(平成21年3月)
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女性医師の平均年収

女性医師の給与は男性医師に比べてどのくらい?

厚生労働省の調査(平成27年 賃金構造基本統計調査)によると、女性医師の平均年収(年間賞与等を含む)は約870万円でした。一方、男性医師の平均年収(同前)は約1,180万円となっており、約310万円の男女差が生じています。
この額の違いは、おもに平均年齢と平均勤続年数の違いによるものだと思われます。とはいえ、そもそも女性医師のほうが平均年齢や平均勤続年数が低いのは、出産や育児のため働き続けることが難しい日本の就業環境が大きく影響しているのです。
なお、賃金構造基本統計調査の調査対象は、従業員10人以上の事業所の常用労働者(つまり、勤務医)に限られていることに留意してください。

女性医師 平均年収869.5万円
  • ・平均年齢37.0歳
  • ・平均勤続年数4.4年
  • ・平均所定内実労働時間数156時間
  • ・平均超過実労働時間数7時間
男性医師 平均年収1,179.45万円
  • ・平均年齢41.1歳
  • ・平均勤続年数5.3年
  • ・平均所定内実労働時間数160時間
  • ・平均超過実労働時間数12時間
参照:

厚生労働省「平成27年 賃金構造基本統計調査」

※平均年収は「平成27年賃金構造基本統計調査」の「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与 その他特別給与額」で算出

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女性医師が働きやすい診療科、地域はどこ? 業界状況

厚生労働省の調査(平成26年 医師・歯科医師・薬剤師調査の概況)から診療科ごとの女性医師割合を見ると、もっとも高いのが皮膚科(53.2%)、次いで産婦人科および産科(41.0%)、眼科(40.7%)、麻酔科(38.5%)となっています(図3)。現状、女性医師を多く擁する診療科は、①比較的ワークライフバランスが確保しやすい(皮膚科、眼科、麻酔科など)、②女性を対象にする領域(産婦人科、産科、乳腺外科、小児科など)という2つの特徴のどちらかを有していると考えられます。
一方、女性医師割合が低い診療科としては、気管食道外科(1.4%)、心臓血管外科(5.4%)、整形外科(5.6%)、脳神経外科(5.7%)などが挙げられます。時に緊急手術を要するような外科系の診療科で女性医師が少ない傾向にあり、体力的にもワークライフバランス的にも女性から敬遠されていると考えられます。しかし、本来はこうした領域で活躍したいと考える女性医師はもっと多いかもしれず、その希望を就業環境が阻んでいるのだとしたら、改善の余地があるといえるでしょう。
また、同じ厚生労働省の調査から都道府県別の医師数(人口10万対)を見ると、もっとも女性医師が多いのは東京都、次いで京都府、徳島県となっています(図4)。いずれも医療が盛んで、職場となる医療施設の選択肢も多い地域です。一方、東北地方や関東地方(東京都を除く)では、人口10万対の女性医師数は軒並み低い水準です。大都市圏を中心に女性医師数が多い傾向がある中で、とくに埼玉県や千葉県の低水準ぶりが目立ちます。

図3 診療科別にみた病院医師(勤務医)の男女割合
参照:
厚生労働省「平成26年 医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」
図4 都道府県(従業地)別にみた医療施設に従事する医師数(人口10万対)
2014年12月31日現在
都道府県 総数(人) 男性(人) 女性(人) 都道府県 総数(人) 男性(人) 女性(人)
全国 244.9 186.0 47.6 三重 216.0 174.6 32.7
北海道 240.5 196.8 33.4 滋賀 222.4 170.6 41.0
青森 203.0 163.7 29.6 京都 326.3 240.4 67.5
岩手 204.2 163.0 29.0 大阪 274.6 206.5 55.4
宮城 232.3 182.9 38.3 兵庫 242.9 186.6 45.5
秋田 227.1 179.0 37.0 奈良 232.6 184.1 41.6
山形 230.4 179.0 36.0 和歌山 287.4 227.1 50.4
福島 196.9 161.3 27.4 鳥取 311.0 239.4 50.2
茨城 177.7 135.4 34.2 島根 279.3 213.8 51.4
栃木 223.3 171.3 41.5 岡山 299.4 231.4 56.4
群馬 228.2 177.6 41.3 広島 263.1 205.4 46.8
埼玉 158.9 122.3 30.5 山口 257.0 206.7 38.1
千葉 189.4 146.2 36.7 徳島 322.4 234.6 68.7
東京 323.4 217.9 86.6 香川 281.5 214.0 54.3
神奈川 209.3 153.6 48.2 愛媛 263.7 212.8 41.6
新潟 200.9 156.8 31.4 高知 302.4 235.0 58.0
富山 248.2 193.3 41.6 福岡 307.6 236.7 56.2
石川 285.7 222.9 47.7 佐賀 277.7 211.9 54.3
福井 250.9 197.3 42.7 長崎 300.9 238.0 49.8
山梨 230.2 184.4 37.9 熊本 287.4 228.0 47.3
長野 226.9 179.2 37.6 大分 271.3 215.7 45.1
岐阜 208.8 166.3 36.6 宮崎 245.1 192.0 41.2
静岡 201.5 161.7 32.2 鹿児島 257.8 206.9 40.9
愛知 213.6 158.6 43.5 沖縄 250.0 194.8 46.7
参照:
厚生労働省「平成26年 医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」
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