【医師の年収事情】内科医の年収は平均より低い?|医師の現場と働き方

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【医師の年収事情】内科医の年収は平均より低い?

内科は最も医師数が多い診療科です。診療分野は多岐にわたり、医師は幅広い知識と豊富な診療経験が求められます。内科医のニーズは常に高く、比較的安定した年収を得ることが可能な一方で、働き方によっては平均水準を下回ることも。内科医全体の年収を俯瞰してみると「ピンキリ」になるのも大きな特徴です。今回は、内科医の働き方と年収事情について解説します。

<この記事のまとめ>

  • 勤務先の業態や働き方に応じて、年収格差が大きい診療科。
  • 診療科の枠組みを超えた豊富な知識や経験が期待されており、業態を問わず求人ニーズが高い。
  • 健診業務の給与水準は低め。ただし内視鏡関連のスキルを持つ医師は重宝される。

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1.内科医の年収事情

医師・歯科医師・薬剤師調査」(厚生労働省、2016年)によれば、医療施設に従事する全医師数30万4,759人のうち内科医は6万855人であり、全体の約20パーセントを占めています。主たる診療科の中で圧倒的に人数が多く、平均年齢は58.0歳と比較的高め(全体の平均は49.6歳)であるという特徴があります。人数が多いからこそ厳しい競争にさらされているのではないか、と考える医師の方もいらっしゃると思いますが、実状はどうなのでしょうか。

必要医師数実態調査」(厚生労働省、2010年)では、内科医は常勤・非常勤合計でさらに約4,000人が必要であるとの結果が示されており、主たる診療科の中で最多となっています。また同調査で算出された求人倍率は1.14倍と比較的高水準です。すでに内科医は全医師の中でも多くの割合を占めているにもかかわらず、依然として高い求人ニーズが潜在的にあることがわかります。

高い求人ニーズは内科医の年収に反映されているのでしょうか。「勤務医の就労実態と意識に関する調査」(労働政策研究・研修機構、2012年)を見ますと、内科医の平均年収は1,247.4万円。調査対象となった全診療科の医師の平均年収である1,261.1万円に比べて、若干低い水準となっています。

■診療科別・医師の平均年収

順位 診療科目 平均年収(万円) (計n=2,876)
1 脳神経外科 1,480.3 (n=103)
2 産科・婦人科 1,466.3 (n=130)
3 外科 1,374.2 (n=340)
4 麻酔科 1,335.2 (n=128)
5 整形外科 1,289.9 (n=236)
6 呼吸器科・消化器科・循環器科 1,267.2 (n=304)
7 内科 1,247.4 (n=705)
8 精神科 1,230.2 (n=218)
9 小児科 1,220.5 (n=169)
10 救急科 1,215.3 (n=32)
11 その他 1,171.5 (n=103)
12 放射線科 1,103.3 (n=95)
13 眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 1,078.7 (n=313)

(独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」2012年をもとに作成)

 

全診療科の平均年収と比較すると内科医の平均年収はやや下回りますが、前述の調査結果の詳細を見ますと、内科医で最も多い年収帯は1,000~1,500万円未満で29.2%が占めており、年収2,000万円以上を得ている医師も10.9%いることがわかります。一方で、年収帯が500万円に満たない医師も10.6%存在しており、これは調査対象の診療科の中で3番目に高い数値となっています。以上見てきたような調査結果から、内科は高水準の年収を得ている医師とそれほど年収を得ていない医師の年収格差が大きい診療科であることが推察されます。

■内科医の年収階層別の分布

主たる勤務先の年収 割合(%)
300万円未満 3.5
300万円~500万円未満 7.1
500万円~700万円未満 7.4
700万円~1,000万円未満 13.5
1,000万円~1,500万円未満 29.2
1,500万円~2,000万円未満 28.4
2,000万円~ 10.9

(独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」2012年をもとに作成)

 

年収格差は医師の不満の種となる傾向がありますが、「勤務医の就労実態と意識に関する調査」(労働政策研究・研修機構、2012年)を見ると、意外な結果が示されています。「自身の給与額に対する満足度」の質問に対し42.5%の医師が満足寄り(「満足」または「まあ満足」)の回答をし、31.9%の医師が不満寄り(「少し不満」または「不満」)の回答をしています。満足寄りの回答をした医師の割合は平均水準ではあるものの、不満寄りの回答をした医師の割合は、脳神経外科に次いで2番目に低い数値でした。このことから、労働内容と給与のバランスに納得をして業務に取り組んでいる医師が多い傾向があると言えるでしょう。

2.内科医の働き方と給与の特徴

内科医の診療範囲は呼吸器、消化器、循環器、血液、内分泌、膠原病など多岐にわたり、幅広い疾患の診察・治療にあたります。診療科の枠を超えた知識や経験も必要であり、いわゆる「ジェネラリスト」としての資質が求められる場面も多いでしょう。このように内科医は他科の医師よりもバラエティに富んだ働き方をします。したがって、給与も勤務先の業態や特徴に左右されやすいと言えるでしょう。ここでは代表的な業態ごとに、内科医に求められる役割と給与の傾向について解説します。

①有床医療機関

入院施設がある医療機関では、外来診療のみならず入院患者さんの管理や日当直の業務まで担うことがほとんどです。多忙を極め、時間外勤務も多くなりますので、「プライベートの時間を十分に確保できない」と感じる医師も多いかもしれません。ただ、時間外手当や日当直手当が発生するぶん平均水準以上の給与を得られるでしょう。

②無床クリニック

近年では、開業医の高齢化などにともなって入院施設を持たないクリニックの求人も増えています。前述したように内科医のニーズは高く、求人も全診療科の中で最多件数であるため、入院施設を持たない医療施設の求人も容易に見つかるでしょう。

業務内容としては主に外来診療を担いますが、医療機関によっては往診などを行うケースも少なくありません。時間外勤務を行わなければならないことはほとんどなく、当然ながらオンコールもありません。そのため、育児中の女性医師などワークライフバランスを重視する医師から人気です。時間外手当や日当直手当がほとんど発生しないため給与水準は若干低い傾向にありますが、クリニックの後継者候補として採用される場合は年収2,000万円以上の好待遇が保証されることもあります)。

③ 介護保険施設

高齢化が進行している日本では現在、介護保険施設も増加の一途を辿っています。特別養護老人ホームや介護老人保健施設などでは医師の配置が義務づけられており、近年はこれらの施設に勤務する医師も多くなっています。幅広い知識や多彩な経験を有する内科医は、介護保険施設でも重宝されるでしょう。

業務内容は施設によって異なり、日当直や利用者の急変時に対応するためのオンコールが必要となる場合もあります。介護保険施設での勤務はワークライフバランスを確保できる可能性は高いものの、転職する際は事前に条件を吟味する必要があります。内科医として勤務してきた筆者の経験上、年収は1,000~2,000万円程度と、業務内容に応じて設定されている金額が幅広いように思います。

3.健診業務の給与水準

内科医が行う代表的な業務のひとつに「健診業務」があります。アルバイトで健診業務を行った経験のある医師や後期研修医の方も多いのではないでしょうか。

健康診断やがん検診などを行うには医師の診察が不可欠であるため、健診を担う医師の需要は高く、特に春や秋には多数の求人が出てきます。また、非常勤勤務や単発アルバイトのみならず、健診センターなどの常勤医の求人も少なくありません。

しかし、いずれも給与水準は平均に比べて低い傾向にあります。筆者の経験上、常勤医の場合は年収1,000万円台前半程度、単発バイトでは半日5万円程度が相場ではないかと思います()。ただし、健診の求人では内視鏡が扱えると非常に重宝され、給与水準も高くなる傾向にあります。内視鏡関連の経験や資格を持つ医師の方は、健診業務の求人に応募する際アピールすると好待遇が期待できる可能性があります。

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PROFILE

執筆/成田 亜希子(なりた・あきこ) 
 
医師・ライター。2011年に医師免許取得後、臨床研修を経て一般内科医として勤務。その後、国立保健医療科学院や結核研究所での研修を修了し、保健所勤務の経験もあり。公衆衛生や感染症を中心として、介護行政、母子保健、精神福祉など幅広い分野に詳しい。日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。

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