マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
今年で策定から20年を迎える「薬物乱用の防止に関する5カ年戦略」の5回目、2023年までの計画が策定されました。今回は「薬物乱用者が社会復帰し、薬物の再乱用を防ぐため」の対策の必要性を訴えつつ、具体的取り組みとして「専門医療機関を充実させる方向性」が明記されています。
厚生労働相などの関係閣僚で構成する「薬物乱用対策推進会議」は3日、薬物乱用の防止に関する5カ年戦略を策定した。薬物依存症者への医療提供体制を強化する方向性を提示。「薬物依存症の治療に当たる医療従事者の専門性を向上するための認知行動療法等の研修を実施する」としている。【新井哉】
5カ年戦略は1998年に初めて策定されており、今回で5回目。計画の期間は2018年から5年間。目標の1つに薬物乱用者に対する適切な治療と効果的な社会復帰支援による再乱用防止を掲げている。
今回の戦略では、薬物乱用者が社会復帰し、薬物の再乱用を防ぐため、「認知行動療法等を中心とした薬物依存症の適切な治療と社会復帰に向けた効果的な指導・支援の両輪により対策を講じる必要がある」としている。
具体的な取り組みとして、専門医療機関を充実させる方向性を明記。薬物依存症の専門医療機関の選定を都道府県や政令指定都市が進めていくことを促しているほか、認知行動療法を用いた治療・回復プログラムのさらなる充実を図るよう求めている。
また、薬物依存症の治療に当たる医療従事者の研修に加え、精神科以外の医療機関に勤務する医療従事者の対応力の向上や早期発見・早期対応につながる研修を充実させる必要性を挙げている。
出典:医療介護CBニュース