マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
「AIネットワーク社会推進会議」が取りまとめた報告書案によると、AIシステム同士のネットワークが形成された場合、病院や介護施設などへの搬送を自動運転車が行うことを想定。最適なルート調整が可能となり、救急搬送の時間短縮が図られ、救命率の向上につながるそうです。
総務省情報通信政策研究所は12日、AIのネットワーク化に関する報告書案を公表した。有識者会議が取りまとめたもので、AIシステム同士のネットワークが形成された場合、病院や介護施設などへの搬送を自動運転車が行うと想定。緊急搬送時に病院の受け入れ態勢(空きベッドの有無など)に応じた専門医とのマッチングを行い、最適なルートをリアルタイムで調整するといったメリットを挙げている。【新井哉】
この報告書案は、「AIネットワーク社会推進会議」(議長=須藤修・東大大学院情報学環教授)が取りまとめたもので、さまざまな分野でAIが活用されることを想定し、AIのネットワーク化が社会・経済にもたらす影響の評価を行った上で課題を整理した。
自動運転車の利活用については、最適なルート調整によって、「救急搬送の時間短縮が図られ、救命率の向上につながる」と指摘。また、公共交通機関の利用が困難な人や自動車を運転できない人でも病院や介護施設に行くことが可能になると見込んでいる。
ただし、ハッキングや不正操作などによってAIシステムが機能不全に陥り、事故が発生する可能性があることも指摘。AIシステム間の連携が不十分だった場合は、適切な専門医とのマッチングや最適なルート調整ができず、「早期に適切な治療が行われず重篤化する恐れがある」としている。
また、AIシステム相互間のネットワークが、▽医療▽見守り▽スマートハウス▽行政▽金融―などの領域を横断して形成することで、「自宅における健康状態の推定、病気の予防、早期発見、病気やけがの際の遠隔診断、高齢者等の見守りサービスが提供される」と予想している。
出典:医療介護CBニュース