20年度改定での「妊婦加算」再開は見送りへ|業界ニュース

20年度改定での「妊婦加算」再開は見送りへ

マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
今年1月に凍結された「妊婦加算」。2020年度の診療報酬改定での再開は見送られることとなりました。2018年度改定時に導入された本加算のそもそもの目的は妊婦の外来診療に対応する医療機関を増やすことにありましたが、妊娠に直接関係のない診療で算定するといった不適切事例が問題視され、凍結となっていました。12月20日の中央社会保険医療協議会・総会では「妊婦加算」の次回改定での再開を見送り、診療報酬では産婦人科以外の診療科と産婦人科の主治医との情報共有を評価する方針です。

中央社会保険医療協議会・総会は12月20日、今年1月に凍結された「妊婦加算」について議論し、2020年度改定での再開を見送ることを確認した。ただし、妊産婦に対する保健・医療体制を充実させる必要性では一致していることから、産婦人科以外の診療科の医師と産婦人科の主治医の情報共有を診療報酬で評価することを含め、各種の支援策を講じることが了承された。

2018年度改定時に導入された「妊婦加算」のそもそもの目的は、妊婦の外来診療に対応する医療機関を増やすことにあったが、本人に加算の趣旨を十分説明することのないまま算定する、コンタクトレンズの処方のような妊娠に直接関係ない診療で算定するといった不適切事例の存在が問題視され、今年1月に凍結となった。その後、設置された厚生労働省の検討会は、従来の形のままでの再開は適当ではないとする意見をまとめ、次回改定での取り扱いに関する議論は中医協に引き継がれた。

総会では、「妊婦加算」の次回改定での再開を見送り、まずは検討会の指摘事項を踏まえて妊産婦に対する保健・医療体制の充実を図ることを確認。診療報酬では、産婦人科以外の診療科と産婦人科の主治医との情報共有を評価し、両者の連携を強化することになった。このほか、▶産科、産婦人科以外の診療科の医師に対する研修の実施、▶医師が妊婦の診療に必要な情報が得られるよう相談窓口を設置、▶都道府県の医療機能情報提供制度を活用し、妊産婦の診療に積極的な医療機関を周知―なども実施する方針。

■主治医の求めに応じた専門医からの情報提供を評価へ
また、この日は医療機関同士の情報共有や、一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度(以下、看護必要度)」の評価項目や判定基準の見直しなどについても議論。医療機関同士の情報共有では、専門医が主治医から紹介を受けた患者の治療を継続する際に、主治医の求めに応じて患者への指導内容や今後の治療方針などの情報を提供する場合の評価を新設する案を厚労省が提示した。

糖尿病の管理を行う医療機関と糖尿病網膜症の治療を行う眼科医療機関との連携や、がん治療における主治医と外来化学療法を行う医療機関の連携などを想定したもので、これらのケースは現在、主治医が専門医への紹介に際して情報提供する場合の報酬(「診療情報提供料(I)」)だけが設定された一方通行の状態となっている。前出の産婦人科以外の診療科と産婦人科の主治医との情報共有も、この仕組みを活用して評価する。

■看護必要度、免疫抑制剤の内服をA項目から除外
看護必要度の評価項目の見直しでは、▶A項目は入院実施率が低い免疫抑制剤の内服治療を対象から除外。同じく入院実施率が低い抗悪性腫瘍剤の内服治療は、副作用の評価のために導入時に入院が必要な場合があることから残す、▶C項目は入院での実施割合が9割以上の手術や検査を新たに組み込む。その際、侵襲性の高いもののみが追加されるように現在評価対象になっている手術や検査の点数の分布状況を参考に一定の点数で線引きする、▶C項目の手術などの評価日数(例えば、開頭手術の場合は7日)は、平均的な在院日数に比べて短い設定となっていることから、延長する方向で見直す─などの案が示された。

18年度改定で新設された該当患者判定の「基準2」(「診療・療養上の指示が通じない・B14」または「危険行動がある・B15」に該当し、A1点以上かつB3点以上)は、他の基準に比べて医学的な理由での入院の割合が低く、急性期病棟よりも療養病棟での該当が多いことなどから廃止することを提案。一方で、高齢化の進展に伴って急性期病棟においても認知症やせん妄への対応の重要性が増すことから、▶B14、B15は引き続きB項目の評価対象として残す、▶看護必要度とは別に、急性期病棟における認知症・せん妄のケア体制に対する評価を拡充する─方針を打ち出した。

今後、これらの見直しが実施された場合の該当患者割合の分布状況のシミュレーションを行い、その結果を踏まえて「急性期一般病棟入院基本料」などの該当患者割合の基準値の検討に入る。

出典:Web医事新報

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