製薬企業へ転職する医師の年収は?仕事内容は?|医師転職ナレッジ

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製薬企業へ転職する医師の年収は?仕事内容は?

医師の業務といえば、患者さんの診療や健康管理に携わることだと考える人がほとんどでしょう。しかし、医師を必要としているのは医療業界や介護業界だけではありません。製薬業界も優秀な医師を必要としています。近年では、「ワークライフバランスを確保したい」と考える医師が製薬企業への転職に興味を持つケースも少なくありません。今回は製薬企業で働く医師の業務内容と給与水準、転職難易度について解説します。

<この記事のまとめ>

  • 新薬の研究・開発において医学的見地から助言をする「メディカルドクター」は日本ではまだ希少でありニーズが高い。
  • 年収は医師全体の中でも高水準。とくに外資系企業では破格の待遇も期待できる。
  • 製薬に関する知識のほか語学力やプレゼンテーション能力が求められるうえ、採用枠が限られることから転職難易度は高め。

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1.製薬企業で働く医師はごくわずか

「医師・歯科医師・薬剤師調査」(厚生労働省、2016年)によれば、全国に31万9480人いる医師のうち医療施設に従事している医師は30万4759人(95.4%)と圧倒的多数を占めています。一方、医療施設や医育施設、また介護老人保健施設などを除いた「その他の業務の従事者」である医師は642人(0.2%)と極めて少数です。製薬企業に勤務する医師は「その他の業務の従事者」に含まれるため、医師にとって製薬企業に勤務するのは非常にマイナーなキャリアだといえるでしょう。

しかし、製薬企業は様々な場面で医師の知識や能力を必要としています。医療現場において「薬」は必要不可欠ですから、その研究・開発に関与する医師は医療を根底から支えている存在だといえるでしょう。どのようなキャリアを希望するかは人それぞれですが、臨床以外に活躍の場を広げたいと考える医師にとって、これまでの知識や経験を生かしながら医療を支えることができる製薬企業への転職は魅力的ではないでしょうか。

2.製薬企業で働く医師の仕事内容は?

製薬企業で働く医師が担当するのは、主に新薬の研究・開発、治験における医学的見地からの助言や提案です。例えば、新薬研究に関する企画立案や世界中の論文の検索とその内容の検討(自社の研究との整合性など)、研究データから臨床応用への検討、治験データの評価などです。また、新薬を売り出す際のプロモーションとしてプレゼンテーションを任されることも少なくありません。

このような業務に従事する医師は「メディカルドクター」と呼ばれ、海外では医師の働き方として珍しいものではありません。治験なども医師主導の下で行われるのがもはや当たり前であり、新薬の開発に関わる専従医師の人数は日本よりはるかに多い状況です。一方、近年では国内でも外資系企業に対抗すべく専属のメディカルドクターを雇い入れる製薬企業が増え、優秀な医師の争奪戦が始まっています。

3.製薬企業で働く医師の給与水準

「勤務医の就労実態と意識に関する調査」(労働政策研究・研修機構、2012年)によると、調査対象となった医師の平均年収は1261.1万円です。一方、製薬企業で働く医師の場合、筆者がこれまで医師として見聞きしてきた情報に基づけば1400~1800万円程度の年収を提示されるケースが多いように感じます。これは、一般的な勤務医より高い水準です。背景にはメディカルドクターが全国的に不足しており、極めて貴重な存在であることが影響していると考えられます。

また外資系企業では、年収3000万円を超える超高水準の報酬が用意されることもあると聞いたことがあります。開発に携わった新薬の売り上げなどに応じてインセンティブ手当てが付与される報酬体系もあり得ます。このように、企業ごとに給与体系が異なるのはもちろん、内資系企業か外資系企業かによっても差が大きいため、転職先を選ぶ際には業務内容や給与条件などをしっかりとチェックするようにしましょう。

4.製薬企業はワークライフバランスを確保しやすいって本当?

製薬企業での勤務は、日当直やオンコールがなく福利厚生も充実しているため、ワークライフバランスを確保しやすいだろうと考える医師が多いと思います。確かに臨床の現場に比べればそうかもしれませんが、勤務先の企業ごとの差は少なからずあり、イメージだけで判断してしまうのは危険です。

一般的には、給与水準が平均的な企業は時間外勤務や休日出勤などが少なく、ワークライフバランスの面では恵まれているといえるでしょう。業務内容によってはオンライン会議、メール、チャットなどを活用して在宅勤務を許可する企業もあり、育児や介護などで通勤が困難な医師からも人気を集めています

一方で、高水準の給与が保証される場合は大量の業務を任され、何らかのノルマが課されることもあります。通常の処理能力では追い付かないほど多くの論文を読み込んだり、文書を作成したりしなければならない状況に追い込まれるかもしれません。そうなれば、ワークライフバランスが確保できるとは言いがたいでしょう。

5.医師の製薬企業への転職難易度

日本での医師の勤務先は、医療機関が筆頭に上がり製薬企業はまだ浸透していないため、製薬企業に勤務する医師は珍しい存在です。実際、ほとんどの製薬企業が優秀なメディカルドクターの獲得に苦労しています。しかし、だからといって安易に転職をして難なく軌道に乗ることができると思ってはなりません。

もちろん、これまで培ってきた医師としての知識や経験を生かすことはできますが、製薬に関する新たな知識を習得する必要はあるでしょう。また、論文の読み込みが求められるうえ、プレゼンテーションを行う際に語学力が必須となるため最低限英語は自在に操れることが望ましいでしょう。つまり、医師の資格さえ持っていれば誰でも製薬企業に勤務できるわけではなく、それ相応の資質が必要です。採用枠も多いわけではありません。したがって、転職の難易度は高いと考えられます。

製薬企業への転職を希望するなら、医師としての知識や経験のほかに、留学経験や海外学会での発表歴などがアピールポイントになります。また、2009年に発足した「日本製薬医学会」の認定資格(製薬医学認定医)などを取得しておくと、より良い条件で転職するのに有利となるでしょう。

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PROFILE

執筆/成田 亜希子(なりた・あきこ) 
 
医師・ライター。2011年に医師免許取得後、臨床研修を経て一般内科医として勤務。その後、国立保健医療科学院や結核研究所での研修を修了し、保健所勤務の経験もあり。公衆衛生や感染症を中心として、介護行政、母子保健、精神福祉など幅広い分野に詳しい。日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。

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