【年代別】医師のキャリアプランと転職に適したタイミング|医師転職ナレッジ

【年代別】医師のキャリアプランと転職に適したタイミング

医師は一般の会社員と比べて転職回数が多い傾向にある職業です。医師の転職市場は常時活性化しており、比較的転職がしやすい職種ですが、キャリアチェンジは人生における大きな選択です。医師はキャリアプランと並行して、どのようなタイミングで転職を検討すると良いのでしょうか。今回は、一般的な医師のキャリアの変化とともに転職の可能性について紹介します。

1.年代で変わる医師のキャリアプラン

医学部を卒業した後、医師はおおよそ次のような6段階のキャリアステージを登っていきます。

I.学部卒業~2年:初期研修
Ⅱ.初期研修~3年(卒後5~6年):後期研修
Ⅲ.後期研修~30代中盤(卒後10年程度):ステージA
Ⅳ.30代中盤~40代前半(卒後10~15年程度):ステージB
Ⅴ.40代前半~50代前半(卒後15~25年程度):ステージC
Ⅵ.50代後半以降(卒後30年以降):ステージD

医師が転職や転科を考え始めるのは、早ければ医学部を卒業後、2年間の初期研修後からです。後期研修医になると、将来的なキャリアプランを考慮してスキルを積むためにアルバイトをする医師も多くなります。
初期研修・後期研修後は、上記で区分した「ステージA」「ステージB」「ステージC」「ステージD」の段階ごとに、置かれる環境やキャリアの悩み、またそれらによる転職の動機が変わってきます。どのような変化が起きるのか、次項以降では、後期研修医以降のステージごとに具体的に見ていきましょう。

2.後期研修医でも転職できる

後期研修では大学医局に所属して後期研修を行うか、医局に所属せずに後期研修を行うかを選択する必要があります。医局に所属するかどうかは医師としてその先のキャリアを決定づける重要な選択です。
かつては医局の影響力は非常に強く、ほとんどの医師が医局に所属していました。しかし、現在では医局人事の影響力も以前に比べて弱まっているため、医局に所属しないという選択をする医師も増えてきています。
「特定の診療科を選んだけれど合わなかった」「大学病院や関連病院の体制が肌に合わず市中病院に行きたい」「市中病院を経験したものの、やはり医局に所属したい」というような理由でキャリアチェンジをする人も珍しくありません。
昔は後期研修時の転職はご法度と考えられていました。しかし、今ではそれも決して珍しくなくなり、一度決定したキャリアをすぐに修正をすることも可能になっています。

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3.30代中盤まではスキルアップの転職

後期研修から30代中盤になると、認定医や専門医の資格を取得している人も多くなります。体力もあり働き盛りの年代のため、医師としてのスキルを磨くために多少自分に負荷をかけながらでも経験を積みたい時期でしょう。
この段階は、自分にとってスキルアップになる転職を考える人が大半です。将来的な開業を目指して、開業地の病院へ転職をしたり、より専門性を高めるために大学病院へ転職をしたりする医師もいるでしょう。若くてスキルをもつ医師は、転職市場で引く手あまたなので、どんな病院でも高評価を受けやすいという特徴もあります。フリーランス医として働く選択肢が出てくるのもこのステージです。
一方で、中にはハードワークに辟易して激務ではない働き方を求めて転職をする医師もいます。

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4.医局に残るかどうかを決める40歳前後

この時期は、とくに医局に所属する医師にとって重要な時期です。40歳を目前にすると、医局内での自分の立ち位置や病院内の派閥がある程度把握できるようになってきて、どの程度まで出世ができるのか、可能性を意識するようになります。
それをふまえて、医局に所属し続けるか、それとも医局を離れて市中病院で働くかを決めるでしょう。医局に所属し続けることと、市中病院で働くことのそれぞれにメリットとデメリットがあるため、一概にどちらがよいとは言えません。

また40歳前後は転科をする最後のチャンスとなる可能性が高いです。基本的に転科は若い年代のほうが有利です。新しい診療科に未経験で転科をする時は、自分で勉強する必要があるうえに病院側の研修や教育を受ける必要があります。働き方に不満がある場合はこの時期以降も環境を変えるチャンスはありますが、診療内容に不満があって転職を検討するならこのタイミングが最後のチャンスと考えたほうがいいでしょう。

5.開業か勤務医かに悩む50代

この年代は開業をするか、勤務医を続けるかの選択に迫られる人が大半でしょう。もとより開業を目指していた人は開業を実現させ、勤務医を続けてきた人はそれなりのポジションについているはずです。かねてより積んできた経験やキャリアが花開くのがこの年代であり、ここから新たにキャリアアップやキャリアチェンジをするのは相当ハードなことです。

しかし、病院の院長職や部長職などの求人が出ることもごくまれにあります。勤めている病院で部長職につくのが難しくとも、症例経験が豊富で管理職の経験があれば他の病院に部長職として入職することもできます。部長職や院長職の求人を扱う転職エージェントは少なく、また求人が出ることもまれなので、早めに転職エージェントに登録をし、キャリアアップを望んでいる旨を伝えておくとチャンスが広がります。

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6.老健や特養の人気が高まる60歳以降

医師に定年制はないので、生涯現役でいることも可能です。ただ、生涯現役を目指さないのであれば、50代後半ごろからいつリタイアするかや、リタイアまでどのような職場で働くかを考えておく必要があります。60歳に差しかかると体力の低下も顕著なため、ハードワークをする必要がある勤務先はあまりおすすめできません。この年代の医師からは、介護老人保健施設(老健)や特別養護老人ホーム(特養)への転職が好まれます。

▼キャリアパートナーからのワンポイントアドバイス
医師のキャリアステージには重要な決断を迫られる場面が度々あります。今後、地域包括医療の推進や医師偏在解消の動きが進むにつれ、キャリアの選択肢は上記の例にかぎらず、さらに多様化し転職市場も変動していきます。今すぐ転職をする意志がなくても、転職エージェント等に登録をして最新の転職動向について情報収集をしておくと、いざ転職活動を始めた時にご希望にぴったりの求人が見つかる可能性が高くなります。

文:APOLLO11(麻酔科医師)

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