【年代別】医師のキャリアプランの立て方は?考え方のポイントについて解説|医師転職ナレッジ

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【年代別】医師のキャリアプランの立て方は?考え方のポイントについて解説

医師は、生涯を通してさまざまな場で活躍できる職業の一つです。自身のスキルを高め、価値ある人材として活躍するにはキャリアプランをしっかりと立てることが大切です。今回は、年代別に医師のキャリアプランの立て方やキャリアの考え方などについて解説します。

<この記事のまとめ>

  • 医師は経験・スキルを積むにつれてキャリアプランを見直す機会が訪れる。転科、スキルアップ、ワークライフバランスなどのほか、「医局に残るかどうか」「開業をするかどうか」などを検討することが多い。
  • 勤務医の代表的なキャリアプランの選択肢には、「専門領域のスペシャリスト」「地域の臨床医」「自由診療のスペシャリスト」「臨床外の分野」などが挙げられる。
  • 開業医としてのキャリアでは、「医師」「経営者」「労務管理者」の3つの役割が求められる。地域医療機関と連携するためのネットワーク形成なども重要。

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1.なぜ、医師のキャリアプランは重要なのか

どのような職業であっても、将来を見越して、キャリアプランを立てることが大切です。ではなぜ、キャリアプランを立てる必要があるのでしょうか。医師だからこそ考えておきたいポイントについて解説します。

1-1.多様化する時代に、将来の目標を効率よく達成するため

医局が大きな役割を担っていたときには、医局に所属することで専門分野での経験が積みやすく、年齢に合ったキャリアが提示される傾向にありました。しかし、現在は医局に所属しない医師も多く、医局を離れる年齢も低くなってきているといわれています。働き方が多様化する中で、個として自身のキャリアプランを形成しなければ、必要な臨床経験を積んだり、専門性を深めたりすることが難しくなる可能性があります。キャリアプランは、効率よくそれぞれの目標を達成するために欠かせないものだといえます。

1-2.将来的な活躍の場を広げるため

現在の日本は超高齢社会を迎え、地域の医師の偏在や医師不足が課題となっています。しかし、厚生労働省は、将来的な医師数について2033年には需要と供給が均衡し、それ以降に医師余りが生じることを予測しています(「医師の需給に関する背景」より、上位推計の場合)。

とはいえ、医療現場は社会に必要なものであり、医師としての仕事がなくなることはないでしょう。ただ、診療科などによっては、偏りが出て、活躍しづらい環境になるかもしれません。将来を見据え、必要とされる医師になるために、専門性や働き方を考えたキャリアプランを立てることが重要です。

1-3.希望する働き方を実現するため

キャリアプランが明確になれば、より効率的に必要な臨床経験や知識を習得できるような計画が立てられます。結果として、働き方を見直す機会も増え、プライベートな時間も確保しやすくなるでしょう。ワークライフバランスを整えるためにも、どのような働き方をしたいのか、事前に考えておく必要があります。ライフイベントの変化にも無理なく対応できるよう、早い段階からキャリアプランを立てておきましょう。

2.医師のキャリアプランを考える方法・プラン

では、医師のキャリアプランはどのように考えればよいのでしょうか。具体的な方法やポイントをご紹介します。

2-1.先に「最終的な目標」を設定する

キャリアプランを立てる際、大切なのはゴールを見定めることです。医師として、将来的に「どのような分野」で、「どのような医療」を「どこで行いたいのか」を考えてみましょう。
勤務医としてのキャリアだけでなく、「開業や起業をする」、「研究医として働く」、「国際的な活動への参加」といった目標も考えられます。

最終的な目標を考えておくことで、目標達成までに必要なプランも設定しやすくなるでしょう。もちろん、途中で目標が変わることも考えられます。定期的に、自身のキャリアプランを見直し、都度、最終目標を考えてみましょう。

2-2.年代別に達成すべき課題を設定する

目標達成を目指す上で、多くの場合、専門家としての経験を積み、必要な知識や技術も十分に習得する必要があるでしょう。そうした中、年齢を重ねることで医師としての立場の変化も生じます。医療の専門家としての知識や技術だけでなく、コミュニケーション力やチームマネジメント能力が求められることもあります。ゴールを見据えた計画の中で、年代別に達成すべき課題を設定しておくとよいでしょう。

3.後期研修医でも転職できる

後期研修では大学医局に所属して後期研修を行うか、医局に所属せずに後期研修を行うかを選択する必要があります。医局に所属するかどうかは医師としてその先のキャリアを決定づける重要な選択です。

かつては医局の影響力は非常に強く、ほとんどの医師が医局に所属していました。しかし、現在では医局人事の影響力も以前に比べて弱まっているため、医局に所属しないという選択をする医師も増えてきています。

「特定の診療科を選んだけれど合わなかった」「大学病院や関連病院の体制が肌に合わず市中病院に行きたい」「市中病院を経験したものの、やはり医局に所属したい」というような理由でキャリアチェンジをする人も珍しくありません。

以前は後期研修時の転職はご法度と考えられていました。しかし、今ではそれも決して珍しくなくなり、一度決定したキャリアをすぐに修正をすることも可能になっています。

4.【年代別】医師のキャリアプラン

医学部を卒業した後、医師には経験・スキルを積むにつれて、キャリアプランについて見直す機会が訪れます。医師が転職や転科を考え始めるのは、早ければ医学部を卒業後、2年間の初期研修後からです。後期研修医になると、将来的なキャリアプランを考慮してスキルを積むためにアルバイトをする医師も多くなります。

キャリアの段階に応じて、置かれる環境やキャリアの悩み、またそれらによる転職の動機が変わってきます。どのような変化が起きるのか、年代ごとに傾向を見て行きましょう。

4-1.卒後は医師としての基盤をつくり、将来を考える期間

大学卒業後すぐは、経験も浅く、指導医のそばで学ぶ時間が長いものです。このころは、医師としての経験を積み、専門性を確立して基盤をつくるための期間といえます。2年間の初期臨床研修で基礎的な臨床能力を身につけた後、専門医取得のために「専攻医」として登録し、各病院が運営する専門医プログラムに参加するのが一般的です。医師としてのキャリアを考えると、この専攻医としての3年から5年間の過ごし方が、将来にも大きく影響を及ぼします。

ただし、学生や研修医のころに設定したキャリアプランがあっても、現場を経験したことで、気持ちが変わることも少なくありません。この時期は設定したキャリアプランが「自分に本当に適しているのか」を見定める期間としてじっくり考えるのもよいでしょう。

一方で、具体的な将来像が見えてこない人も、この時期に経験を積み重ねることで、方向性が見えてくるかもしれません。卒後すぐで経験も浅いうちは、早い段階で転科が検討しやすいという利点もあります。この時期にしっかりと知見を積むことが非常に重要です。

すでに明確なキャリアプランを設定している場合は、転職などの際に、最終的な目標から大きく外れてしまわないように気をつけましょう。

4-2.30代中ごろまではスキルアップの転職

後期研修から30代中盤になると、認定医や専門医の資格を取得している人も多くなります。体力もあり働き盛りの年代のため、医師としてのスキルを磨くために多少自分に負荷をかけながらでも経験を積みたい時期でしょう。

この段階では、スキルアップにつながる転職を考える人が大半です。将来的な開業を目指して、開業地の病院へ転職をしたり、より専門性を高めるために大学病院へ転職をしたりする医師もいるでしょう。若くてスキルを持つ医師は、転職市場で引く手あまたなので、どんな病院でも高評価を受けやすいという特徴もあります。フリーランス医として働く選択肢が出てくるのもこのステージです。

一方で、中にはハードワークに辟易して激務ではない働き方を求めて転職をする医師もいます。

4-3.医局に残るかどうかを決める40歳前後

この時期は、とくに医局に所属する医師にとって重要な時期です。40歳を目前にすると、医局内での自分の立ち位置や病院内の派閥がある程度把握できるようになってきて、どの程度まで出世ができるのか、可能性を意識するようになります。

それを踏まえて、医局に所属し続けるか、それとも医局を離れて市中病院で働くかを決める人もいるでしょう。医局に所属し続けることと、市中病院で働くことのそれぞれにメリットとデメリットがあるため、一概にどちらがよいとはいえません。

また40歳前後は転科をする最後のチャンスとなる可能性が高いようです。基本的に転科は若い年代のほうが有利です。新しい診療科に未経験で転科をするときは、自分で勉強する必要がある上に病院側の研修や教育を受ける必要があります。働き方に不満がある場合はこの時期以降も環境を変えるチャンスはありますが、診療内容に不満があって転職を検討するなら、このタイミングが最後のチャンスと考えた方がよいでしょう。

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4-4.開業か勤務医かに悩む50代

この年代は開業をするか、勤務医を続けるかの選択に迫られる人が大半でしょう。もとより開業を目指していた人は開業を実現させ、勤務医を続けてきた人は指導する立場となっている人もいるはずです。それなりのポジションに就いているはずです。かねてより積んできた経験やキャリアが花開くのがこの年代であり、ここから新たにキャリアアップやキャリアチェンジをするのは相当ハードなことです。

しかし、病院の院長職や部長職などの求人が出ることもごくまれにあります。勤めている病院で部長職に就くのが難しくとも、症例経験が豊富で管理職の経験があれば、他の病院に部長職として入職することもできます。部長職や院長職の求人を扱う転職エージェントは少なく、また求人が出ることもまれなので、早めに転職エージェントに登録し、キャリアアップを望んでいる旨を伝えておくとチャンスが広がるでしょう。

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4-5.老健や特養の人気が高まる60歳以降

医師に定年制はないので、生涯現役でいることも可能です。ただ、生涯現役を目指さないのであれば、50代後半ごろからいつリタイアするか、リタイアまでどのような職場で働くかなどを考えておく必要があります。60歳に差しかかると体力の低下も顕著なため、ハードワークをする必要がある勤務先はあまりおすすめできません。この年代の医師からは、介護老人保健施設(老健)や特別養護老人ホーム(特養)への転職が好まれます。

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5.キャリアを高める勤務医・開業医のキャリアプランとは

ここでは、キャリアを高める勤務医・開業医のキャリアプランについてご紹介しましょう。

5-1.キャリアを高めるための勤務医のキャリアプラン

勤務医としてのキャリアプランは、初期臨床研修後「専攻医の研修先を決めるとき」が第一歩といえます。勤務医としての選択肢には「専門領域のスペシャリスト」「地域の臨床医」「自由診療のスペシャリスト」「臨床外の分野」などが挙げられます。それぞれのキャリアプランを考えてみましょう。

・専門領域のスペシャリスト
専門分野で指導的な立場にある大学病院医局を目指し、求められる経験を想定した上で、専門医や博士号の取得、学会発表の他、海外留学も視野に入れた経験を積むといったキャリアが考えられます。また、臨床分野の第一人者を目指す際、指導医としての資格取得が求められるかもしれません。研究分野でのスペシャリストを目指す場合には、臨床での症例経験が必要になることもあります。
・地域の臨床医
地域密着型の医師は、診療範囲が広いのが特徴です。幅広い診療技術や地域の基幹病院との連携が求められます。それぞれの地域に求められる役割を理解し、総合診療や地域連携の経験を積むようなキャリアプランを検討してみましょう。
・自由診療のスペシャリスト
それぞれの分野の先進的な医療機関で必要な経験を積むことが一番の近道といえるでしょう。自由診療を主とする場合、最終的には開業を目指すケースが多いかもしれません。開業に向けた資金の準備や、地域の医療施設との連携、経営者としてのマネジメントを学ぶ機会などを考えたキャリアプランが必要です。開業医のキャリアプランについては後述します。

・臨床外の分野
医療系コンサル会社の役員を務めたり、システム開発や商品開発で医療監修として携わったりするなど、臨床外の分野で活躍したいなら、幅広い経験を積むことが大切です。希望する領域での実務経験の他、ネットワークを構築できる環境で、人脈を広げるためのキャリアプランを考えてみましょう。

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5-2.将来、開業医を目指す場合のキャリアプラン

開業医となれば、「医師」「経営者」「労務管理者」としての3つの役割をこなさなければなりません。

医師として、開業する地域の特性に応じた診療技術が求められると同時に、経営者としてスタッフの雇用や利益確保のためのマネジメント力が問われます。開業する地域で必要とされる技術の習得や導入、医療従事者の指導などにも取り組めるようなキャリアを考えてみましょう。加えて、地域医療機関との連携が不可欠なため、ネットワーク形成も欠かせません。

また、病院経営管理士や医療経営コンサルタント、防火管理者、医療経営士などの資格を取得しておくと開業時に役立つといわれています。医師としてのスキルを高めるだけでなく、経営者としての考え方や在り方を学べるチャンスが得られるようなキャリアプランを考えてみましょう。

医師のキャリアステージには重要な決断を迫られる場面が度々あります。今後、地域包括医療の推進や医師偏在解消の動きが進むにつれ、キャリアの選択肢は上記の例にかぎらず、さらに多様化し転職市場も変動していきます。今すぐ転職をする意思がなくても、転職エージェントなどに登録をして最新の転職動向について情報収集をしておくと、いざ転職活動を始めたときに、希望にぴったりの求人が見つかる可能性が高くなるのでおすすめです。

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PROFILE

監修/小池 雅美(こいけ・まさみ)

医師。こいけ診療所院長。1994年、東海大学医学部卒業。日本医学放射線学会・放射線診断専門医・検診マンモグラフィ読影認定医・漢方専門医。放射線の読影を元にした望診術および漢方を中心に、栄養、食事の指導を重視した診療を行っている。女性特有の疾患や小児・児童に対する具体的な実践方法をアドバイスし、多くの医療関係者や患者さんから人気を集めている。

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