第14回 開業医をめざす勤務医がするべき経験とは?|スペシャルコラム|DOCTOR'S COLUMN|マイナビ【DOCTOR】

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第14回 開業医をめざす勤務医がするべき経験とは?

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1.専門診療科+総合診療科の経験は必須

将来、開業をしたいと考えているなら勤務医時代の専門診療科の選択は開業したときに有利になる診療科目を選ぶほうがよいでしょう。医療上の価値評価では決してありませんが、開業して流行る要素や集患できる要素があるかどうかを考えて、私見で開業しにくい科ごとに並べるならば、病理科、放射線科、麻酔科、外科、胸部外科、血管外科、消化器外科、産科、泌尿器科、婦人科、神経内科、一般内科、透析科、呼吸器科、皮膚科、脳外科、眼科、精神科、心療内科、消化器科、耳鼻咽喉科、小児科、循環器科、糖尿病・代謝科という感じでしょうか。開業を想定するのに都会か地方かによって組み立てが変わりますが、一般的な開業しにくい診療科で並べてみました。

それぞれの専門診療科でも一層の専門分野があると思いますが、開業したときに特化した分野は、それなりの市場性がなければ成り立ちませんので、開業したあとの機能は専門性と市場性がリンクしてくる形となります。地方の場合はある程度の専門性と総合的な診療がミックスすることが求められます。本当に特殊な分野の診療スタイルなら大都会で開業する形となります。研修医時代にオールラウンドの経験はあるにしても、開業医はプライマリーケアの一翼を担い、総合的な診療が必要ですので、専門診療科プラス総合診療科の経験や研修は必須と言えます。

2.勤務医時代に準備できること

開業して遭遇する総合的な診療が求められるパターンは、プライマリーケアで初期に診断技術の習得をしているかどうかです。初期の診断技術もなく聴診器と問診と、採血した血液の検査結果だけで診断できれば問題ありませんが、患者さん側も痛みや症状からある程度の予測をしており、それなりの専門的な診断能力と治療技術を求めてきます。東京などでは大学病院をはじめ大病院が数多くありますので、開業医をスルーして大病院にかかる患者さんが多い傾向にありますが、行政は医療費削減の見地から大病院に対する診療報酬制度で抑制措置を強化しようとしています。プライマリーケアを開業医が担うとなると総合的な診断能力と一定の専門能力が求められます。

開業医での専門能力として、よくそじょうに上るのが、内視鏡検査、循環器検査、呼吸器検査、癌の検査、超音波検査、放射線の読影などでしょうか。何の特徴もなくただ開業すればそれなりの患者さんは来るという時代ではありませんから、もし開業したいと考えている医師のみなさんは、勤務医時代でも準備できることはあると考えてください。

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平田 二朗(ひらた じろう)
医療経営コンサルタント
元病院を経営する公益財団法人の専務理事。
保険調剤薬局経営を経験し、医師開業支援を多数実施。病院法務セミナーや医療安全フォーラムなどを多数主催。スウェーデン医療福祉視察を7回実施。
「病院経営のしくみ」「クリニック開業ガイド」「スウェーデン精神科医療改革」(マイナビ出版)など著書多数。現在、一般社団法人医療法務研究協会副理事長、医療法人・社会福祉法人などの理事、(株)コメディカル代表取締役。