マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
「地域間格差」の問題は医療業界に限らず、各業界の人材分布図に大きな影響を与えます。そこで厚労省の来年度予算の概算要求において、地域枠出身の若手医師が地域に派遣された場合でも、順調なキャリア形成や勤務負担軽減を可能とし、地域の医療施策に注力した措置が取られることになりました。
医師不足の地域で若手医師のキャリア形成を支援する―。25日に明らかになった厚生労働省の来年度予算の概算要求では、「地域医療確保対策の推進」の分野の要求額を今年度の当初予算と比べて倍増させ、地域の医療施策に注力する方向性を鮮明にした。【新井哉】
地域枠出身の若手医師が医師不足の地域に派遣されて「地域診療義務」を果たす場合、▽休日代診医師の派遣▽複数の医師によるグループ診療▽テレビ電話を活用した診療支援―について、「モデル的に実施し、派遣される医師のキャリア形成や勤務負担軽減を図るために必要な経費を支援する」とした。
また、都道府県を支援する専門家を育てる「地域医療施策を担う人材の育成」(1400万円)も新たに盛り込まれた。地域医療構想などの施策や診療データを分析することに精通した人材を育成し、都道府県の医療施策の企画・立案の底上げを図りたい考えだ。
新専門医制度の導入に伴う医師偏在の防止を図るため、「専門医に関する新たな仕組みの構築に向けた取り組み」についても今年度当初予算の2倍近い4億8000万円を要求する。
具体的には、専門医を育成する研修プログラムについて協議する都道府県協議会の経費、日本専門医機構が都道府県協議会の意見を取り入れて専門医の研修体制を構築するための連絡調整経費をそれぞれ増額する。
出典:医療介護CBニュース