マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
一昔前のイメージと異なり、昨今目ざましい進歩を遂げているがんの放射線治療。そのうちの一つ、陽子線治療について、厚生労働省は根治切除可能な初発・単発・結節型肝細胞がんに対するものを先進治療Bのカテゴリーに追加しました。
厚生労働省は、根治切除可能な初発・単発・結節型肝細胞がんに対する陽子線治療について、先進医療Bに追加したとホームページで公表した。【新井哉】
この治療の安全性・有効性を検討した先進医療技術審査部会の報告書によると、治療対象の単発肝細胞がん(3センチ超)に対する標準治療は外科的治療となっている。過去の報告から外科的治療の5年生存率は約55%と推計され、予後が良好な対象とは言えないという。
陽子線治療の有効性に関しては、全生存期間で外科的切除に劣らないと指摘。安全性についても「開腹を伴わないため外科的切除よりも低侵襲な治療であることが期待される」とした。
この治療を申請した国立がん研究センター東病院によると、2030年までに290例(陽子線治療群83例、外科的切除群207例)の試験を予定している。
出典:医療介護CBニュース