マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
厚生労働省が2016年9月1日時点の全国8464病院の耐震改修状況を調査しました。そのうち1569病院が「建物の耐震性が不明」と回答しています。
病院の耐震化率が高い都道府県は滋賀県(89.5%)、低いのは京都府(60%)、福島県(61.9%)などでした。
全国の病院の耐震化率について、厚生労働省は3日までに、全体の2割弱に当たる1569病院で建物の耐震性が「不明」となっているとの調査結果を公表した。都道府県別の耐震化率に関しても、最上位と最下位の自治体で30ポイント近い開きがあるなど格差が浮き彫りになった。厚労省は都道府県に対し、地震への備えが不十分な病院に改善を促すよう求めている。【新井哉】
厚労省は、昨年9月1日時点の全国の8464病院の耐震改修状況を調査。それによると、1569病院が「建物の耐震性が不明」(耐震診断を実施していない)と回答した。
調査では、都道府県間の病院の耐震化率(平均値)の格差も明らかになった。滋賀(89.5%)と宮城(88.6%)で9割近い耐震化率を記録した一方、京都(60.0%)、福島(61.9%)、大阪(62.9%)は全国の平均値(71.5%)を大幅に下回った。
耐震化率が低いとされた自治体を中心に、改善に向けた動きが広がりつつある。全国ワーストとなった京都府は、病院など公共性の高い民間施設に対し、助成制度の積極的な活用や税制優遇の周知などを行い、「耐震診断・耐震改修の一層の促進を図る」としている。
昨年4月に起きた地震で多数の医療機関が被災した熊本県も先月、多くの人が集まる病院などの特定建築物について、2025年までに「耐震性が不十分なものを概ね解消する」と建築物耐震改修促進計画に明記した。同県は特定建築物に該当する3階以上・床面積1000平方メートル以上の病院に耐震化を促し、全国の平均値を下回る耐震化率(65.3%)の底上げを図りたい考えだ。
出典:医療介護CBニュース