マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
神奈川県は、県内19施設を救命救急センターに指定しています。県内は2次医療圏が11に分かれていますが、海老名総合病院のある県央圏は、救命救急センターがありませんでした。
2016年1年間の同病院への救急搬送者が4000人強という実績を踏まえ、4月1日付で知事が海老名総合病院を救命救急センターに指定する予定です。
神奈川県内で救命救急センターが唯一なかった“空白”の医療圏が解消される。県医療審議会が22日、海老名総合病院(海老名市、469床)に救命救急センターを整備することを承認。これを受け、県は4月1日付で指定する方向で最終調整を行っている。患者の受け入れ体制は厚生労働省や県の施設基準を満たしており、県内の一部の救命救急センターよりも高い評価を得ている。4月からは24時間365日、重症患者を受け入れる拠点となる。【新井哉】
一部のセンターよりも高い評価に
県内に11ある二次医療圏のうち、海老名総合病院のある県央圏(海老名市、厚木市、大和市など)だけに救命救急センターがなかった。県は医療計画で、すべての医療圏にセンターを「原則1カ所」置くことを目標に掲げていた。
県によると、厚労省が毎年度実施している「救命救急センターの充実段階評価」の基準に照らして海老名総合病院の救急医療体制をチェックしたところ、県内で指定を受けている既存の8施設を上回っていた。
また、2015年度に受け入れた重症・重篤患者についても、同病院は968人で、既存施設の平均(1192人)と比べて「劣るものではない」と県は指摘。周辺の消防の救急隊によって搬送される傷病者に関しても「受け入れ体制は充実している」と評価している。
県は、大学病院など19施設を救命救急センターに指定しているが、高齢者らの救急搬送の増加に伴い、受け皿となる施設の拡充が急務となっていた。県央圏で重症患者が発生した場合、隣接する医療圏の東海大医学部付属病院などに搬送していたが、海老名総合病院で重症患者の受け入れができるようになれば、救急車の出動先によっては搬送時間の短縮が期待できるとしている。
海老名市が高規格救急車を寄贈
同病院は、これまで二次救急医療機関としての実績を積み重ね、行政の信頼を得てきた。海老名市によると、昨年1年間の救急搬送者(6580人)の7割近い4431人を同病院に搬送。こうした救急医療への貢献を踏まえ、市は今年2月、同病院に高規格救急車1台を寄贈した。市消防本部も「病院間の患者の移送や災害派遣医療チームの派遣などに有効活用してもらいたい」と期待を寄せている。
出典:医療介護CBニュース