マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
厚生労働省は全国の救命救急センターの充実度を37の評価項目を元に点数化して評価していますが、その評価基準を見直す方針です。
具体的には、転院を調整する職員の配置・二次救急医療機関やかかりつけ医などが参加したメディカルコントロール協議会の開催回数・救急搬送の受け入れ困難事例の割合などを検討しています。
患者が地域医院などでなく救命救急センターに集中する「入り口問題」、状態が安定したのに転院先が決まらない「出口問題」を、改善したい考えです。
厚生労働省は、救命救急センターの充実段階評価を見直すことを決めた。地域の医療機関との連携に関する評価項目を追加する方針で、救命救急センターに患者が集中する「入り口問題」と、状態が安定した患者の転院先が見つからない「出口問題」の解消につなげたい考えだ。【新井哉】
厚労省は、全国の救命救急センターの充実度を点数化して評価しており、「専従の医師」、「救急医」の有無や、センター長が要件を満たしているかどうかなどを年度ごとに調査している。厚労省と都道府県は、この評価を基に問題のある施設に改善を促してきた。
しかし、地域の医療機関との連携に関する具体的な評価項目がないため、救急医療関係者からは、「入り口問題」と「出口問題」の改善につながっているかどうかが分からないといった指摘に加え、「救命救急センターに高齢者が殺到している今の実情がおかしい」と、患者の流れを変える必要があるとの意見も出ていた。
転院調整職員の配置などの追加検討へ
こうした状況を踏まえ、厚労省は、地域連携の視点を評価に取り入れる必要があると判断。評価の項目・指標として、▽転院を調整する職員の配置▽二次救急医療機関やかかりつけ医などが参加したメディカルコントロール協議会の開催回数▽救急搬送の受け入れ困難事例の割合‐などを追加する方向性を示している。
また、評価の対象となる「専従の医師」や「救急医」を配置せず、厚労省や都道府県が是正を求めても従わない救命救急センターもあるため、従来の評価項目についても、見直す必要があるかどうか検討している。来年度中に評価の改訂版を公表する予定。
出典:医療介護CBニュース