マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
子宮頸がんワクチンの副作用(1.疼痛・感覚の障害2.運動障害3.自律神経症状4.認知機能の障害の症状が3カ月以上続き、通学や就労に影響がある)について、新しい調査結果が出ました。
大阪大大学院の研究班が人口10万人のうちで症状を訴えた人を調べた所、ワクチン接種者は27.8人いましたが、非接種者でも20.4人いました。ワクチンを接種しない同年齢の男性でも20.2人という結果でした。
ワクチン接種者でも非接種者でも症状の訴えが一定数あり、さらにワクチンをうった人は症状をより訴えやすいバイアスがあるため、研究班は単純な比較は困難とし、詳細な年齢別分析などをする予定です。
子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)を接種した人に原因不明の痛みなどの症状を訴える人が相次いだ問題で、厚生労働省の研究班は、接種後の症状と同じような症状が非接種者にも出ていたとする調査結果をまとめた。26日に開かれた厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会などの会合で報告した。【新井哉】
大阪大大学院の祖父江友孝教授らの研究班は、全国の200床以上の全病院と200床未満の病院の半数を対象に調査を実施。2015年7月から12月までに受診した12-18歳のうち、▽疼痛・感覚の障害▽運動障害▽自律神経症状▽認知機能の障害-の症状が3カ月以上続き、通学や就労に影響があるかどうかを尋ねた。
人口10万人のうちで症状を訴えた人を調べたところ、ワクチン接種者は27.8人いたが、非接種者でも20.4人いた。ワクチンの接種対象者でない同じ年齢の男性でも20.2人いたことが分かった。この結果を基に、研究班は非接種者にもHPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の症状のある人が「一定数存在した」と結論付けた。
さらに、「接種歴ありの者では、ワクチン接種に関連するとして報告されている症状を、より訴えやすい」といった「バイアス」が存在することから、接種者と非接種者などの比較は困難との見解を示した。同部会などの委員から、年齢層別の症状の特徴などを分析することを求める意見が出たため、研究班で新たな分析を行い、その結果を数カ月後に再度報告する予定。
出典:医療介護CBニュース