マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
厚生労働省による2015年人口動態統計が発表されたことを受けて、国立がんセンターが、がんの75歳未満の年齢調整死亡率を計算・公表しました。
2005年から2015年の10年間で、75歳未満年齢調整死亡率は15.6%減少しました。全体の目標は20%でした。
上記の死亡率が2割以上減少した県は、兵庫・奈良・広島・佐賀の4県で、C型肝炎ウイルス感染率の減少による肝臓がん死亡率の減少が寄与していると見られています。
国立がん研究センター(国がん、中釜斉理事長)が公表した2015年の人口動態統計を基に算出したがんの75歳未満年齢調整死亡率によると、05年から15年までの10年間の死亡率の減少率は、国のがん対策推進基本計画(基本計画)の全体目標で掲げた2割の目標に届かずに15.6%となった。47都道府県のうち、目標に到達したのは、4県にとどまった。【君塚靖】
年齢調整死亡率は、人口構成などの異なる地域間で比較しやすいように調整した死亡率。75歳未満に限定することで、高齢による死亡の影響を取り除き、がんと死亡の因果関係を明確にすることで、精度を向上させている。基本計画の目標である2割減に到達しないことは、昨年6月に国がんが公表した1975年から2013年までの75歳未満年齢調整死亡率を用いて算出した15年予測値(17%減)で分かっていたが、12月5日に15年の人口動態統計が発表され、実測値でも目標未達が明らかになった。
47都道府県のうち、05年から15年までの75歳未満年齢調整死亡率の減少率が20%以上だったのは、兵庫、奈良、広島、佐賀の4県だった。国がんによると、「これらの県は、いずれも肝臓がんの死亡率が高く、C型肝炎ウイルス感染率の減少による肝臓がん死亡率の減少が目標の20%減少達成に寄与したと考えられる」としている。
出典:医療介護CBニュース