マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
介護保険サービスの負担基準を変更するべく厚生労働省で議論中ですが、負担増は現在議論されている世帯別収入を主とした3割負担より、ゆるやかなものになりそうです。
個人の収入を重視した現行の2割負担の判定では、配偶者や世帯の収入が多くても、本人の収入が一定額に達していなければ1割です。
世帯別収入を考慮する変更だと突然1割から3割に負担が増える人が多いと思われるため、修正する考えを示しました。
厚生労働省は、介護保険サービスを利用した場合、3割の自己負担を求める人の基準案について、既に社会保障審議会介護保険部会などで示してきた内容を修正する方針を固めた。現役並みの収入がある人を対象とすることは変わらないものの、具体的な基準額や世帯収入と負担割合の考え方を調整する。厚労省では来年の通常国会への介護保険法改正案の提出を見据え、修正を進める。【ただ正芳】
これまで厚労省では、3割負担の基準について、「世帯内に課税所得145万円以上の65歳以上の人がいる場合で、世帯内の65歳以上の人の収入の合計が520万円以上(世帯内の65歳以上の人が1人の場合は383万円以上)」に該当した場合、その世帯の利用者負担を3割に引き上げる案を示してきた。
この場合、例えば、妻の収入が100万円であっても、夫の収入が430万円であれば、妻も3割負担を求められる。つまり、伴侶のどちらかの収入が高い場合、収入の低い伴侶の負担割合まで3割に引き上げられることになる。
一方、昨年8月に導入された2割負担の判定は、世帯の収入よりも個人の収入を重視する方法となっている=図参照=。そのため、対象者の収入が一定額に達していなければ、伴侶や世帯の収入にかかわらず負担割合は1割だ。
個人の収入を重視して2割負担を判定する現行制度に、世帯の収入を重視する3割負担の判定案を加えた場合、現状では1割負担の人がいきなり3割負担を求められる可能性が生じる。
こうした懸念が指摘されたことから厚労省では、3割負担の判定案について、世帯の収入を重視する方針から、個人の収入を重視する従来の考え方に合せて修正する方針を固めた。この変更に合わせ、「世帯内に課税所得145万円以上の65歳以上の人がいる場合で、世帯内の65歳以上の人の収入の合計が520万円以上(世帯内の65歳以上の人が1人の場合は383万円以上)」とされてきた判定の基準案についても、修正する予定という。
出典:医療介護CBニュース