マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
一般に、月に80時間以上の残業が過労死の基準ラインとされています(法定労働時間を基準とすると週の労働時間およそ60時間)が、医師は夜の当直や勤務時間外でも呼び出しが多く、勤務医は約4割が週60時間労働の状態という調査もあります。(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 平成24年9月4日発表資料より。有効回答数3467票)
そこで厚生労働省は、約10万人を対象に全国の病院・診療所の医師の勤務実態・キャリア意識に関する大規模な調査を実施することにしました。
結果は来年1月以降に厚労省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」で報告される予定です。
厚生労働省は29日、医師の勤務実態や働き方の意向などを把握するため、約10万人の勤務医を対象に全国調査を実施すると発表した。同省によると、「これほど大規模な医師への働き方の調査は初めて」としている。【松村秀士】
厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会」が今年6月に公表した中間とりまとめでは、医師の働き方や勤務状況などの実態について、より精度の高い推計を行った上で、将来の医療提供体制のあり方と医師の新しい働き方を示すビジョンを策定すると明記。さらに、医師の働き方や勤務状況などの現状を把握するため、今年度中に「新たな全国調査を行う」とされた。
また、先月に開かれた厚労省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」では、医師の勤務実態などについて詳細に把握すべきとの意見が出た。
こうした指摘などを踏まえ、厚労省は来月8日から14日にかけて、全国の病院や診療所に勤務する医師約10万人を対象に、勤務実態やキャリア意識などに関する全国規模の調査を実施する。
主な調査内容は、▽出身地や出身医学部の所在地、家族構成、年収▽他職種との役割分担やキャリア意識といった将来の働き方▽将来の勤務地の意向―など。厚労省は早ければ来年1月にも調査結果をまとめ、同ビジョン検討会に報告して、その議論に反映させる方針だ。
出典:医療介護CBニュース