マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
厚生労働省は社会保障審議会障害者部会に対して、1年超の長期にわたって入院している精神病の患者数に目標値を定めることを提案しました。
2013年の調査では、全国で精神病床に1年以上入院している患者さんは約19万人。
厚生労働省の資料によると、そのうち約5万人が毎年退院していますが、ほぼ同数が長期入院に移行しています。
長期入院患者さんの約4割は地域の精神保健医療福祉体制の基盤を整備することで、「入院から地域生活への移行が可能」と厚生労働省は意見をまとめています。
厚生労働省は、全国の精神病床に1年以上入院している長期入院患者数について、障害福祉計画の基本指針の目標値として追加する方針を決めた。長期入院患者の地域移行を進めるのが狙い。11日に開かれた社会保障審議会障害者部会に基本指針の成果目標案として示した。【新井哉】
精神病床に1年以上入院している患者は約19万人(2013年時点)。これまで基本指針の目標値には、3カ月時点と1年時点の退院率などが記載されていたが、1年以上の長期入院患者の人数は示されていなかった。
厚労省は、長期入院患者の人数を明示した方が成果目標をイメージしやすいことに加え、精神保健医療福祉に関する検討会の分科会が、1年以上の長期入院精神障害者のうち約4割は、地域の精神保健医療福祉体制の基盤を整備することで「入院から地域生活への移行が可能」といった意見をまとめ、検討会に報告したことなどを考慮し、長期入院患者数の目標値を基本指針に加えることにした。
高齢の長期入院患者の割合が増えつつあることから、「65歳以上」と「65歳未満」の区分を設けて推計する。目標値の推計方法については、障害者部会の次回以降の会合で提示する見通し。
また、地域の実態を迅速に把握する必要があるため、保険診療を行った医療機関が保険者に診療報酬を請求するためのレセプト情報などのデータベースを活用することも考えているという。
出典:医療介護CBニュース