マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
バイエル薬品が勃起障害（ED）と生活習慣病の関係に関する調査結果を発表しました。6月に実施したアンケートへの回答1030人分をカウントしたところ、EDを発症していると思う男性の生活習慣病羅漢率は26％でしたが、EDを発症していないと思う男性の羅漢率は7.7％で、18.3ポイントの大きな隔たりがありました。
日本性機能学会の「ED診療ガイドライン2012年版」では、リスク要因として高血圧・糖尿病をあげたほか、「EDは心血管疾患の前兆」と指摘しています。
調査に携わった順天堂大医学部附属浦安病院泌尿器科長の辻村晃氏は「EDの症状を感じた場合は早めに専門の泌尿器科を受診してほしい」と語っています。
ED（勃起障害）を発症していると思う男性の生活習慣病の罹患率は、そうでない男性よりも約20ポイント高いことが、バイエル薬品の調査結果で明らかになった。また、半数超の男性が、EDになった場合の医療機関への受診にためらいを感じていることも分かった。【松村秀士】
調査は6月14、15の両日、全国の20－60歳代の男女を対象に実施。1030人から回答を得た。女性に対しては、パートナーのことを聞いた。
生活習慣病にかかっているかどうかを聞いたところ、EDを発症していると思う男性の罹患率は26.0％だった。一方、発症していないと思う男性の罹患率は7.7％で、双方に18.3ポイントの差があることが分かった。
調査に携わった順天堂大医学部附属浦安病院泌尿器科長の辻村晃氏は、生活習慣病や心血管疾患は発症に気付くまでに時間がかかるケースが少なくないとし、「EDの症状を感じた場合は早めに専門の泌尿器科を受診してほしい」と語っている。
EDは勃起機能の低下に伴う症状で、年齢を重ねると発症しやすくなるが、若年層でもストレスや不規則な食生活、運動不足、喫煙などによって発症する場合がある。日本性機能学会の「ED診療ガイドライン2012年版」では、リスク要因として、高血圧や糖尿病といった生活習慣病などを挙げたほか、「EDは心血管疾患の前兆」と指摘している。
想定する診察内容、誤った認識も
調査で、回答した515人の男性に対し、EDになった場合の医療機関への受診について聞いたところ、ためらいを「とても感じる」と回答したのが11.3％で、「まあまあ感じる」は40.8％だった。一方、「あまり感じない」は36.1％、「全く感じない」は11.8％だった。
受診をためらうと答えた人の理由（複数回答）で、最も多かったのは「人に知られるのが恥ずかしいから」（45.9％）。次いで、「治療にお金が掛かりそうだから」（41.0％）、「病院に行くのが面倒くさいから」（31.0％）、「どこの病院に行けばいいのか分からないから」（29.5％）、「診療内容が分からず、不安だから」（28.7％）などと続いた。
また、全ての対象者に、想定する診察内容について尋ねたところ（複数回答）、「問診」（93.5％）が最も多く、次いで「血液検査」（44.4％）、「触診」（36.0％）、「血圧測定」（20.0％）、「エコー検査」（13.8％）といった回答があった。
辻村氏は、「EDの診察は問診のみの場合が多く、基本的には初診時に触診をすることはない」とし、診察や治療に対する正しい理解を普及させる必要性を指摘している。
出典：医療介護CBニュース
