マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
マイコプラズマ肺炎が流行しています。国立感染症研究所が1999年の調査開始以来、1週間の患者数が最多レベルに達しています。都内では、9月下旬ごろから集団感染による学級閉鎖が続出。都道府県別の期間定点医療機関報告者数では、岐阜県が最も多く、5.8人、以下、多い順に群馬、北海道、福岡と、全国的に流行していることが窺えます。
症状は乾いた咳・発熱がよく見られ、重症肺炎となるケースもあります。
飛沫・接触感染するため、予防には、手洗い・うがいやマスク着用をするとよさそうです。
乾いた咳や発熱などの症状が出る「マイコプラズマ肺炎」の1週間当たりの患者報告数が、感染症法に基づく1999年の調査開始以降で過去最多レベルになっていることが18日、国立感染症研究所の患者報告で分かった。流行の拡大に伴い、小学校などで集団感染が発生して学級閉鎖となるケースが相次いでおり、患者が増加傾向の自治体では手洗いなどの予防策の徹底を求めている。【新井哉】
国立感染症研究所がまとめた3日から9日までの週の全国の基幹定点医療機関(約500カ所)当たりの患者報告数は、前週比13%増の1.33人。過去10年の同期と比べて最も多かった。2011年から12年にかけて大きな流行があった際、調査開始後で最多の報告数(1.51人)を記録していたが、その時とほぼ同じレベルになっている。
この週の都道府県別の報告数は、岐阜が5.8人で最も多く、以下は群馬(3.13人)、北海道(3.0人)、福岡(2.67人)、兵庫(2.55人)、埼玉(2.4人)、東京(2.12人)、宮城(2.08人)、愛知(2.07人)、千葉と宮崎(共に2.0人)などの順だった。
前週に比べて報告数が倍増した東京都は「過去5年平均と比較して高い値で推移している」と指摘している。都内では9月下旬ごろから集団感染による学級閉鎖が続出しており、茨城と鳥取の両県でも今月、小学校での学級閉鎖が報告されている。
患者が急増している自治体では注意喚起に懸命だ。報告数が前週比3倍超となった兵庫県は「患者との濃厚な接触を避け、手洗い、うがいなどを励行することが重要」と指摘。1.5倍に増えた福岡県も、咳やくしゃみが出そうな時にハンカチやティッシュペーパーで口を覆う「せきエチケット」を心掛けるよう求めている。
マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマを病原体とする呼吸器感染症。重症肺炎となるケースもあり、中耳炎や溶血性貧血、無菌性髄膜炎、脳炎、肝炎を併発することもある。飛沫感染や接触感染などで広がるとされている。
出典:医療介護CBニュース