マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
相模原の障害者施設での殺傷事件を受けて、厚生労働省が計67自治体に措置入院の退院支援について調査をしたところ、「明文化したルールがあり、実施している」と答えたのは8つ、56の自治体が「明文化されたルールはないが、必要に応じて実施している」、3自治体(約5%)が「実施していない」と回答しました。
厚生労働省は、措置入院患者の退院支援に関する調査結果を公表した。相模原市の障害者施設の殺傷事件を受けて実施されたもので、約9割の自治体が措置入院患者の退院後の支援ルールを明文化していなかった。【新井哉】
相模原市の殺傷事件に関しては、厚労省の検討チームが9月に公表した中間取りまとめで、患者の退院後、自治体が責任を持って継続的に支援する体制の構築を要望。また、病院管理者が都道府県知事や政令市長に届ける「症状消退届」に、具体的な支援策を記載しないまま相模原市に提出していたことを問題視していた。
調査は全国の都道府県と政令市(計67自治体)を対象に実施した。措置入院の患者が地域へ退院した場合、退院後のフォローアップを含む退院支援を行っているかどうか尋ねたところ、▽宮城県▽神奈川県▽兵庫県▽広島県▽千葉市▽相模原市▽浜松市▽福岡市-の8自治体が「明文化したルールがあり実施している」と回答した。
また、56自治体(約84%)が「明文化されたルールはないが、必要に応じて実施している」、3自治体(約5%)が「実施していない」とした。
明文化した支援ルールがあるとした8自治体のうち、予算事業として実施していたのは兵庫県だけで、警察との情報共有を行っている自治体はなかった。支援対象者については、8自治体のすべてで「薬物使用による障害」と「パーソナリティ障害」を含んでいた。
また、厚労省の調査に応じた11自治体が昨年4月以降に受理した計691件の症状消退届の記載内容なども分析。措置解除後に直接通院となったケース(133件)では、全体の約2割で訪問指導に関する意見の記載がなかった。
出典:医療介護CBニュース