マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
麻疹(はしか)の患者数が増えニュースにもなった今年、麻疹ワクチンの接種を求める人が増加しました。一部流行地域の大学病院などではワクチン数が足りなくなり、特に東京、大阪ではワクチンの接種が困難になった病院も出てきています。
北里大北里研究所病院などは、ワクチンの接種を小児の予診票(無料券)を持っている人に限定しています。
麻疹(はしか)の患者増加に伴い、大学病院の一部で麻疹ワクチン(MRワクチン)の接種が困難になっている。特に患者の報告が相次いでいる地域ではワクチンの確保が難しくなっており、十分な免疫を持っていない小児への接種を優先する大学病院も出てきた。【新井哉】
麻疹の患者報告が相次いだ関西や関東の一部地域では、接種希望者の増加にワクチンの供給が追い付かず、関西医科大香里病院(大阪府寝屋川市)は「ワクチンの在庫が非常に少なく接種困難」との見解をホームページに掲載した。
ワクチン接種外来を設けている順天堂大医学部附属練馬病院(東京都練馬区)も「ワクチンの供給が全国的に不足している」とし、麻疹ワクチンの予防接種を当面実施しない方針を示している。
ワクチンの在庫がある大学病院では小児の予防接種の1期(1歳)と2期(小学校入学の前年)を優先する動きが広がりつつある。北里大北里研究所病院(同港区)は、予防接種については小児の予診票(無料券)を持っている人に限定。東京女子医科大東医療センター(同荒川区)も、流通が安定するまで「小児の定期接種のみ」と制限している。
国立感染症研究所によると、全国の今年の患者報告数(18日時点)は130人。都道府県別では、大阪が52人で最も多く、以下は千葉(21人)、兵庫(18人)、東京(14人)、埼玉(6人)、神奈川と和歌山(共に3人)などの順。年齢別では20歳代と30歳代が全体の6割を占めている。
出典:医療介護CBニュース