女医は子育てと仕事を両立できるか?悩みと勤務実態を解説|医師の現場と働き方

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女医は子育てと仕事を両立できるか?
悩みと勤務実態を解説

子育て中の女性医師は、育児と仕事を両立することに不安を抱えることがあるかもしれません。ときには、当直業務を担うことに難しさを感じたり、長期的なキャリアプランに不安を感じたりすることもあるでしょう。今回は、子育て中の女性医師が抱える悩みを紐解き、育児と仕事を両立する具体的な方法や勤務実態などについて詳しく解説します。

<この記事のまとめ>

  • 6割を超える女性医師が家庭・育児に関する悩みを抱えている。育児そのもののほかに、家族の協力体制が悩みの種にもなっている。
  • 2009年と2017年の調査を比較すると、子育て中の女性医師は、常勤勤務の割合が増加、勤務時間の短縮、宿日直・オンコールの減少などの傾向が見られる。
  • 子育てと仕事を両立させるには、多方面からの支援が必須。制度の活用や理解のある勤務先への転職などを通してサポート体制をつくると、心の余裕が生まれやすい。

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1.女性医師が抱える子育てと仕事の両立に関する悩み

子育て中の女性医師が抱えやすい悩みにはどのような傾向があるのでしょうか。

日本医師会男女共同参画委員会と女性医師支援センターが共同で発表した報告書「女性医師の子育て〜8年間で何が変わったか、何が変わっていないか~」では、女性医師にどのような悩みがあるのかを複数回答でたずね、得た回答を「家庭・育児に関する悩み」「医師としての悩み」「職場における女性医師としての悩み」に分類し、2009年と2017年の調査結果を比較しています。

それによると、すべての年代で6割を超える女性医師が家庭・育児に関する悩みを抱えていることがわかりました。

「家庭・育児に関する悩み」の回答割合を年代別にみると、2009年の調査では29歳以下が60.5%、30代が68.3%、40代が70.7%、50代が65.9%、60歳以上が74.7%だったのに対し、2017年の調査では29歳以下が67.0%、30代が75.2%、40代が71.5%、50代が61.6%、60歳以上が62.8%。40代以下の年代は悩みを抱える割合が増加しており、50代以上では減少していました。

なお、「家庭・育児に関する悩み」には「家庭と仕事の両立」「配偶者の非協力・無理解」「配偶者の家族の無理解」「その他具体的な記入」の要素が含まれており、育児そのもの以外にも、家族の協力体制や姿勢が女性医師の悩みにつながっている様相が見られます。

研修医を対象にした「臨床研修修了者アンケート調査概要(2016年)」(厚生労働省)によると、「子育てをしながら勤務を続ける上で必要と考えられるもの」(最大3つまで複数選択制)として「職場の雰囲気・理解」「勤務先に託児施設がある」「子どもの急病等の際に休暇がとりやすい」「当直や時間外勤務の免除」「配偶者や家族の支援」「短時間勤務制度」が重視されていることがわかりました。

必要と考える優先順位について男女の差はわずかであり、医師が子育てと仕事を両立させるにあたり、男女ともにほぼ同様の課題を認識しているということがうかがえます。

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2.子育て中の女性医師の勤務実態とは

厚生労働省が発表した、「医師・歯科医師・薬剤師統計の概況(2018年)」によると、女性医師の割合は、届け出総数の21.9%に当たる71,758 人です。医師全体のうち約2割と、女性医師の割合はかなり少数であることがわかります。ここでは日本医師会男女共同参画委員会と女性医師支援センターによる報告書「女性医師の子育て〜8年間で何が変わったか、何が変わっていないか〜」をもとに、女性医師の勤務状況を見ていきます。

2-1.子どもの年代と常勤医師の割合

まずは常勤勤務に従事する女性医師の割合です。子どもの年代を「乳児」「幼児」「学童」に分類した割合が下記の通りです。

■常勤勤務に従事する育児中の女性医師の割合

2009年調査 2017年調査
乳児育児中 68.0%
(n=241)
76.5%
(n=391)
幼児育児中 70.1%
(n=1,347)
71.0%
(n=2,523)
学童育児中 76.5%
(n=565)
78.8%
(n=900)
※「乳児」は0歳児、「幼児」は未就学児、「学童」は小学生で区分。
(日本医師会・女性医師支援センター「女性医師の子育て〜8年間で何が変わったか、何が変わっていないか〜」をもとに作成)

乳児育児中の常勤の女性医師は2009年調査で68.0%、2017年調査で76.5%でした。幼児の場合は2009年調査で70.1%、2017年調査で71.0%、子どもが学童の場合は2009年調査で76.5%、2017年調査で78.8%でした。子どもがいずれの年代でも、2009年調査時よりも2017年調査時のほうが常勤勤務の割合が多く、子育てをしながら常勤で働く医師が増えていることがわかります。

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2-2.子どもの年代と実勤勤務時間

続けて、子どもの年代別に、女性医師の1週間の実勤勤務時間を見てみましょう。

■【乳児育児中】女性医師の週あたりの実勤勤務時間

2009年調査
(n=249)
2017年調査
(n=382)
40時間以内 50.6% 52.6%
40時間超48時間以内 14.1% 15.7%
48時間超60時間未満 20.5% 19.4%
60時間以上65時間未満 5.6% 7.3%
65時間以上 9.2% 5.0%

■【幼児育児中】女性医師の週あたりの実勤勤務時間

2009年調査
(n=1,332)
2017年調査
(n=2,486)
40時間以内 51.5% 59.5%
40時間超48時間以内 19.0% 18.8%
48時間超60時間未満 17.7% 14.8%
60時間以上65時間未満 6.7% 3.9%
65時間以上 5.1% 3.0%

■【学童育児中】女性医師の週あたりの実勤勤務時間

2009年調査
(n=540)
2017年調査
(n=1,324)
40時間以内 36.0% 43.7%
40時間超48時間以内 20.0% 19.0%
48時間超60時間未満 24.1% 21.2%
60時間以上65時間未満 9.5% 7.9%
65時間以上 10.4% 8.2%
(日本医師会・女性医師支援センター「女性医師の子育て〜8年間で何が変わったか、何が変わっていないか〜」をもとに作成)

2017年の調査では、いずれの年齢区分でも実勤勤務時間「40時間以内」が最多でした。2009年の調査では、乳児育児中の「48時間超60時間未満」(20.5%)や幼児育児中の「40時間超48時間以内」(19.0%)、学童育児中の「48時間超60時間未満(24.1%)」がボリュームゾーンだったため、実勤勤務時間が短縮傾向にあることがわかります。

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2-3.子育て中の宿日直とオンコールの勤務実態

子育て中の女性医師が担当する宿日直やオンコールについてはどうでしょうか。

報告書「女性医師の子育て〜8年間で何が変わったか、何が変わっていないか〜」によると、乳児育児中に宿日直やオンコールがあると回答した女性医師は、2009年の調査では40.4%、2017 年では 38.4%でした。幼児の場合は、2009 年が42.2%、2017年が37.7%で、学童の場合は、2009 年で 53.4%、2017年には45.1%でした。

この結果から、宿日直やオンコールが免除されたり少なく抑えられたりしている状況が推察されます。以前と比べて、子育て中の女性医師が宿直やオンコールへの対応を求められるケースは減少しているといえるでしょう。

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3.女性医師が子育てと仕事を両立するために

医師が子育てと仕事を両立するには工夫が必要です。働きやすい環境をつくるためのポイントをいくつかご紹介しましょう。

3-1.利用可能な制度を活用する

子育てと仕事をできるだけ無理なく両立できるように、国や自治体が主導する支援制度を活用してみましょう。例えば、日本医師会女性医師支援センターのウェブサイトでは都道府県別の子育て支援情報がまとめられています。また厚生労働省では「妊娠・出産・育児中の女性医師が働きやすい職場づくり」を推奨し、具体的な勤務環境改善策や支援策を提案しています。

勤務先によっては、子育て支援制度やベビーシッター制度、保育所併設などのサポート体制を設けている施設もありますので、支援制度を上手に利用して働きやすい環境を整えていきましょう。

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3-2.育児や家事の協力者を確保する

育児と仕事を両立するためには、家族をはじめとする他者の協力が必須です。乳幼児は体調を崩しやすく急に仕事を休まねばならなくなることもあり、臨機応変に家事や育児に対応できる体制づくりが欠かせません。もしも家族の協力を得にくい場合は、自治体のファミリーサポートセンターやベビーシッターなどの利用も検討してみましょう。安心して働き続けるためのサポートの選択肢を広げておくことは、自身の心の余裕にもつながります。

3-3.相談窓口を利用する

子どもの状況や仕事の環境は人によって異なります。そのため、育児と仕事を両立するために必要な支援内容にも違いがあるものです。またどのような制度があるのか、何から調べたらいいのかわからないこともあると思います。そんなときにはひとりで悩まずに、勤務先や自治体、都道府県ごとの医師会などに設置された支援相談窓口にまずは問い合わせてみるのもおすすめです。支援内容の詳細を案内してもらうなど、必要な支援を受ける方法について聞いてみましょう。

3-4.転職を検討する

子育てと仕事の両立に向けて工夫していても、職場環境によっては、なかなか理解や協力を得ることが難しいケースもあります。そんなときは、子育てへの理解や協力体制が整った職場に転職するのも一案です。働きやすい職場を見つけることで、子育てとの両立にかかるプレッシャーが軽減されます。

とはいえ、ただでさえ忙しい状況で、転職活動を進めるのが大変だと感じる人もいるかもしれません。より効率的に職場探しを進めたい場合には、医師専門の転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。条件に合った転職先の情報を得やすいだけでなく、キャリアプランについても相談できます。自分に合った働き方を考えるためにも、サポートを受けながら転職活動を進めてみてはいかがでしょうか。

4.支援を上手に活用して子育てと仕事を両立しよう

女性医師の勤務環境は、以前と比べて子育てとの両立がしやすい状況に変化しています。とはいえ、子育てをしながらキャリアを維持するのは想像以上にパワーが必要です。子育てと仕事の両立に悩んだときには、相談窓口に助言を求めたり、さまざまな支援制度を活用したり、転職エージェントのサポートを受けたりしながら、負担を少しでも軽くして自分らしいキャリアを築いていきましょう。

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