臨床医とは?研究医との違いや臨床医のやりがい・魅力を解説|医師の現場と働き方

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臨床医とは?研究医との違いや臨床医のやりがい・魅力を解説

医師の働き方は、大きく臨床医と研究医の2つに分けられますが、そのうち、多くの医師が臨床医として活躍しています。病院や診療所等の医療機関で働く臨床医は、直接患者さんと関わるのが特徴です。今回は、臨床医の働き方に注目し、その仕事内容や役割、研究医との違いなどについてお伝えします。

<この記事のまとめ>

  • 臨床医の主な仕事は、患者さんと直接関わりながら疾患・創傷の診断や治療、予防、リハビリテーションを行うこと。
  • 患者さんが回復していく姿を見ることができる、地域医療に貢献できる、転職・開業などキャリアパスの選択肢が広い、などの魅力がある。
  • 医学部の大学院に在籍する医師や大学病院で勤務する医師、開業後に大学院で研究を行うなど、臨床と研究の両方に携わる医師は多い。両立を支援する施設も増加傾向にある。

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1.臨床医とは

臨床医とは、直接患者さんと接して診察や治療を行う医師を指します。臨床医は、診療所や総合病院、介護施設等、さまざまな施設で働くことができます。ただし、施設や診療科によって、臨床医が担う役割や業務内容は異なります。また、施設の規模や地域的な背景によって、訪問診療などに対応するケースもあるでしょう。

2.臨床医の仕事内容や役割

まずは、臨床医の仕事内容、役割について見てみましょう。また、臨床医の働き方についても紹介します。

2-1.臨床医の仕事内容と役割

臨床医の主な仕事内容は、直接患者さんと関わりながら疾患や創傷の診断や治療、予防、リハビリテーションを行うことです。具体的な業務内容は診療科によっても異なりますが、患者さんの記録を残すために、電子カルテに入力したり、診断に必要な検査を指示したりするといった事務的な業務もあります。

また、所属する医療機関では診断や治療が難しい患者さんに対応する場合、より専門的な医療機関の受診を促し、紹介状を準備することも大切な業務です。臨床医は、患者さんを診断し、治療法を選択するだけでなく、患者さんが必要かつ適切な治療を受けられるよう、看護師などのコメディカル(医療専門職)に指示を出す役割もあります。

2-2.臨床医の働き方

臨床医には、診療所や病院に勤める「勤務医」と、診療所や病院を自ら経営する「開業医」の大きく2つの働き方があります。勤務医であれば、勤務先の方針に従って外来を受け持ったり、入院患者さんの対応を行ったり、訪問診療をしたりするなどの働き方が一般的です。

一方で、開業医は、臨床医であると同時に、経営者の役割も担います。スタッフが少ない施設では、開業医自身が人材の確保や集客、施設の管理等、さまざまな業務を兼任するケースも多いでしょう。そのほか、フリーランスとして、特定の医療機関に所属せずに契約の形で働いたり、派遣や非常勤の形で働いたりするケースもあります。

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3.臨床医の魅力とやりがい

では、臨床医として働く上では、どのような魅力ややりがいがあるでしょうか。

3-1.直接患者さんと関わることができる

臨床医は、目の前で不調に苦しむ患者さんの治療に直接関わります。患者さんの命を救うほか、QOL(生活の質)を高めるサポートをするなど、患者さんの回復していく姿を見ることができるのが臨床医のやりがいと言えるでしょう。

3-2.地域に貢献できる

臨床医は、地域の医療体制に深く関わることが多く、地域への貢献度が高い傾向にあります。医師不足が続く中、地域によっては医師数が十分でなく、必要な医療を提供できない場合もあります。臨床医として、そうした地域に赴けば、地域医療に欠かせない人材として大きく貢献できるでしょう。

3-3.転職や開業などの選択肢が広い

医師不足の昨今は、さまざまな地域や医療機関で、臨床医が求められています。基本的には、年齢を問わずできる仕事であり、定年後に活躍できるケースも多いようです。スキルや経験によっては希望する働き方ができる職場への転職も可能でしょう。場合によっては、開業医として病院やクリニック等を開設し、自らが定めた経営方針に沿って、思い描く医療を追求することも可能です。

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4.臨床医と研究医の違い

では、臨床医と研究医では、どのような点が異なるのでしょうか。改めて、研究医の働き方を見てみましょう。

4-1.研究医は「研究を専門に行う」医師

臨床医は前述の通り、患者さんと直接関わりながら診断や治療などを行います。一方の「研究医」は、現時点で原因や治療法が確立されていない疾患を解明したり、患者さんにより良い医療を提供するために、薬学や生化学等の分野で専門的な研究を専門に行ったりする医師を指します。

研究医が属する職場は、医療系企業のほか、大学や病院などが代表的です。中には、公務員として研究機関に属するケースもあります。日々、症例データを収集、検証しながら論文を作成し、優れた発見があるときには、学会などで発表できるように備えるのが主な業務です。医学の進歩に貢献できるよう、日々研究に携わるのが研究医です。

4-2.「基礎研究医」と「臨床研究医」がいる

研究医が携わる研究内容には、大きく「基礎研究」と「臨床研究」の2つがあります。基礎研究とは、病気の原因などを解き明かす研究で、一方の臨床研究は、実際の患者さんのデータをもとに治療法の確立などを進める研究です。基礎研究においては、医学部だけでなく薬学部や理学部出身者が携わるケースも見られますが、臨床研究は医師免許が必要であり、臨床医との関わりが深い分野と言えます。

4-3.日本では研究医の養成が急務となっている

厚生労働省の資料「研究医枠について(2021年3月4日付)」によると、2005年と2014年を比較して日本の基礎医学論文数増加率は96%に留まっていることが課題視されています。海外の増加率を見ると、中国で616%、インドで244%、韓国217%、英国129%、米国122%と、他国との大きな開きがあるためです。

こうした現状を改善するため、2010年度より大学における研究医枠の増員が進められています。例えば、神戸大学では卒後・大学院教育を一貫して見通した「特別コース」を設定し、増員数の2倍以上の履修者を確保することが目標とされ、履修者数を約5.8倍まで増加させることに成功しました。

しかし、経済的・家庭の事情から大学には残らずに研究を続ける場合や、新専門医制度の影響で、大学院に進学する場合でも臨床系を志望する学生が多いというヒアリング結果も報告されています。

5.臨床医と研究医は両立できる?

医学部の大学院に在籍する医師は、臨床と研究を兼ねていることが多く見られます。また、大学病院で働く医師は、研究を義務付けられている場合も少なくありません。そうした場合には、大変ながらも、臨床と研究を両立する必要があるでしょう。

また、現在、臨床医として働いているものの、将来的に研究医を目指したい医師や、両立したいと考える場合もあることでしょう。例えば、開業後の医師が、大学院に入学して、研究を行ったり授業を受けたりしているケースもあります。こうした状況を見ても、実際に臨床医と研究医を両立している人は少なくありません。ただし、研究には根気が必要であり、臨床医との両立には、肉体的、精神的な負担がかかるのも事実です。

とはいえ、近年では、臨床と研究を両立できるよう支援している施設も増えています。例えば、神戸大学医学部では、学位取得後に学術推進研究員(基礎分野での研究活動+臨床活動)や、基礎臨床融合特命教授として基礎医学系分野で研究を継続しながら、附属病院で臨床活動を行うことも可能です。

こうした環境は、基本的に大学病院での勤務によるものであり、実際の勤務先は限られるかもしれません。臨床医と研究医を両立させて働きたい場合は、支援体制が整っているかどうか、事前に情報収集しておくと良いでしょう。

6.臨床医と研究医を両立したい場合はエージェントに相談しよう

臨床医だけでなく研究医としてもキャリアを積みたいという場合は、適切なキャリアパスを立てることが大切です。キャリアパスに悩んだときには、医師専門のエージェントに相談してみましょう。
 
 

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PROFILE

監修/小池 雅美(こいけ・まさみ)

医師。こいけ診療所院長。1994年、東海大学医学部卒業。日本医学放射線学会・放射線診断専門医・検診マンモグラフィ読影認定医・漢方専門医。放射線の読影を元にした望診術および漢方を中心に、栄養、食事の指導を重視した診療を行っている。女性特有の疾患や小児・児童に対する具体的な実践方法をアドバイスし、多くの医療関係者や患者さんから人気を集めている。

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